10月も半ば。寒い日が続くようになり、冬の気配を感じるようになってきましたね。一年を通してスーパーなどに並ぶサバですが、9月から11月ごろが旬と言われています。
今回は、日本におけるサバの歴史と栄養についてご紹介します。

京は遠ても十八里。京都と福井を結ぶ「鯖街道」

徒歩で物資を運んでいた時代、海から遠い地域において魚はとても貴重な食べ物でした。傷みやすいサバを運ぶために、人々はサバに塩をふっていたそうです。京都に隣接している奈良の平城京跡地からは、「旧鯖(ふるさば)」と書かれた荷札が見つかっています。旧鯖とは、サバを塩につけた保存食のことです。
現在の福井県にある若狭は、朝廷に食料を納めていた「御食国(みけつくに)」の一つです。「京は遠ても十八里」という言い回しがあるように、若狭の人々は重い荷物を担いでおよそ80kmの道のりを歩いていました。若狭からはサバがよく運ばれていたそうで、サバが運ぶために使われていた道が、後に「鯖街道」と呼ばれるようになったのです。もちろん舗装されていない山道を通るわけですから、さぞ大変な仕事だったでしょうね。夜通し歩いて運んだサバは、京についた頃には塩がよくなじんで良い味になったと言われています。

京都の名物「さば寿司」
京都の名物「さば寿司」

DHAだけじゃない?サバにはたっぷり栄養が含まれているんです!

みなさんは、サバに含まれている栄養と聞いて、何を思い浮かべますか?サバにはDHA(ドコサヘキサエン酸)がたっぷり含まれていることは、多くの方がご存知なのではないでしょうか。DHAには悪玉コレステロールを減らして血液をサラサラにしたり、アルツハイマーや認知症を防ぐなどの効果が期待されると言われています。
さらにサバには、セレンと呼ばれるミネラルの一種が豊富に含まれています。セレンはアンチエイジングに効果があると言われています。サバに含まれるセレンの量は、全食品の中でもトップクラスです。
サバが美味しいこの季節、焼いたりみそ煮にしたり、料理の仕方を変えながら、たっぷりの栄養を美味しくいただきたですね。

今回はサバの歴史と栄養についてご紹介しました。
鯖街道には昔の風情が漂う観光地がたくさんあります。鯖街道に赴き、当時の人々の暮らしを感じながら、美味しくて栄養たっぷりのサバをいただいてみてはいかがでしょうか。
<参考・参照サイト>
ええやん!若狭の國
北陸物語
良好倶楽部