全国から続々と紅葉便りが届いていますが、養老渓谷(岐阜県)の「養老の滝」の清水から作られた昔懐かしい「養老サイダー」が復刻され、現地でしか飲めない貴重なサイダーを堪能しがてら、観瀑+紅葉狩りに岐阜を訪れる人が急増しているといいます。
10月1日から復刻発売された「養老サイダー」。
さらに、11月下旬〜12月上旬に紅葉の見頃を迎える養老渓谷(岐阜)。
そのうえ11月11日〜26日の土日は「養老の滝」までの道のり(徒歩約40分)を彩るモミジやカエデがライトアップ!
今回は魅力満載の「養老の滝」を筆頭に、「日本の滝百選」から岐阜県の名瀑をご紹介しましょう!

千葉県にも「養老渓谷」はありますが、画像は昔話の親孝行物語の舞台にもなった「養老の滝」を擁する岐阜県の「養老渓谷」
千葉県にも「養老渓谷」はありますが、画像は昔話の親孝行物語の舞台にもなった「養老の滝」を擁する岐阜県の「養老渓谷」

「養老公園」(岐阜県養老郡養老町)でしか飲めない「養老サイダー」

滝の概要をご紹介する前に「日本で最古の幻のサイダー」として知られる「養老サイダー」についてご紹介することにしましょう。
1900(明治33)年に製造開始し、100年以上愛され続けていた「養老サイダー」。
東の「三ツ矢サイダー」、西の「養老サイダー」としてその名を知られましたが、施設の老朽化、職人の高齢化、後継者不在等の理由から、惜しまれながらも2000年に製造中止となった「養老サイダー」は、”日本最初のサイダー”または“幻のサイダー”として知られる名品です。
そして2016年、養老町観光協会有志が養老サイダー復刻プロジェクトを立ち上げ、翌年には県立大垣養老高校と創業家の協力の下、当時のレシピ通りの「養老サイダー」が再現。見事にプロジェクトは成功したのです。初回限定5000本が販売されたことは、メディアでも話題になりましたね。
この「養老サイダー」は名水百選でもある養老公園の水源「菊水泉」を使って製造されており、販売戦略としてあえてネットなどでは販売せず、「養老公園に足を運ばないと飲めない」といったプレミアム感を演出。いまや多くの人が観瀑を兼ねて「養老サイダー」のキリッとした味わいを堪能しに現地を訪れているそうですが、紅葉が最高潮となるいまこそ、観瀑を兼ねて訪れたいエリアといえるでしょう。
※お出かけの際は、養老山地の天候を事前チェック!

復刻「養老サイダー」は現地に足を運ばないと飲めないプレミアム感も魅力!(イメージ)
復刻「養老サイダー」は現地に足を運ばないと飲めないプレミアム感も魅力!(イメージ)

元正女帝が若返りの効果に驚いた「養老の滝」の霊泉

さて、肝心の「養老の滝」ですが、養老神社(養老郡養老町)の境内から湧き続けている天然水は「日本の名水百選」「日本三大銘水」にも認定された名水。しかも、その養老の滝(菊水泉)を飲めば“若返る”という神秘的な言い伝えもあるのです。
その伝説とは ── 元正女帝(680 - 748年)が行幸(天皇が外出)した際、養老町に立ち寄って醴泉を飲んだところ、病気は全快し、白髪も黒髪に戻った ── というもの。元正女帝はその効能に驚き、元号を「養老」に改めたと伝えられています。
幻だった復刻サイダーも味わえて、養老の滝へと続く道全体がモミジやカエデ、イチョウなどの紅葉のグラデーションになり、高さ30m、幅4mの「養老の滝」も観賞できる……。
さらには、無色無臭ながらも、まろやかで美味しい味わいの美泉で若返ってしまったら……!? これはもう、何をさておいても「養老の滝」に善は急げですね(笑)。
「養老の滝」(岐阜県養老郡養老町 養老公園)
●アクセス/【電車】養老鉄道養老駅から徒歩15分
【車】名神高速大垣ICまたは関ヶ原ICから約20分、東名阪自動車道桑名東ICから約40分
●11月30日(木)まで「2017養老公園もみじまつり」開催中! 詳細は 養老町観光協会(養老町役場内)HPをご参照ください

飛騨・美濃桜33選、紅葉33選に選出された「養老公園」「養老の滝」はいよいよ紅葉の見頃を迎えます
飛騨・美濃桜33選、紅葉33選に選出された「養老公園」「養老の滝」はいよいよ紅葉の見頃を迎えます

「根尾の滝」(岐阜県下呂市小坂町)

御嶽山を源とする河川が多数ある下呂市小坂エリアには、高さ5m以上の滝が216瀑確認されており、江戸時代からその神秘的な美しさに惹かれる人も多く、江戸後期の文人画家の巨匠・貫名海屋(ぬきな すうおう/1778 - 1863)も書画を残した景勝地として知られます。
1992年に根尾の滝遊歩道が整備され、行程途中の吊り橋、急坂、沢伝いの道や、名所の「あまどり岩展望台」、巌立峡の「三ッ滝」「あかがねとよ」「唐谷滝」なども楽しめます。とはいえ、滝駐車場から滝までは成人の健脚で往復約2時間かかりますので、時間に余裕をもった計画を立て、服装・登山靴等の準備もお忘れなく。
「根尾の滝」(岐阜県下呂市小坂町)
●アクセス/【車】国道41号小坂町交差点より岐阜県道437号湯屋温泉線、岐阜県道441号落合飛騨小坂停車場線経由で巌立峡(がんたて公園)方面へ。根尾の滝駐車場から遊歩道経由で徒歩約60分
【電車】高山本線飛騨小坂駅より、濃飛バスにて日本一の炭酸泉としても有名な温泉保養施設「ひめしゃがの湯」バス停下車。以降、根尾の滝駐車場までタクシー等で約30分、遊歩道経由で徒歩約60分
●詳細は下呂ナビをご参照ください

四季折々、神秘的な美しさで人々を魅了する「根尾の滝」
四季折々、神秘的な美しさで人々を魅了する「根尾の滝」

「平湯大滝」(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)

落差64m、幅約6m。「日本の滝百選」「岐阜県の名水50選」にも選出された名瀑「平湯大滝」は、厳冬期には氷瀑(毎年2月には氷瀑がライトアップ)となりますが、11月下旬〜12月初旬には奥飛騨温泉郷の紅葉と観瀑が一度に楽しめる名勝地でもあります。
また「平湯大滝」は、戦国時代の武将・武田信玄の家臣・山県昌景軍が飛騨攻めの最中に、峠越えの疲労と硫黄岳に垂れ込めるガスによって疲弊困ぱいし、平湯大滝付近で進むことも戻ることもできず、落命寸前に追い込まれた場所としても知られます。
しかしそのとき、突如昌景の目の前に白い猿が出現。白猿の導きに従って温泉(平湯温泉)につかったところ、またたく間に疲労が回復したそうですが、もしこのとき落命していれば、後に武田四天王の一人に山県昌景が数えられることはなかったでしょう。
さらに、平湯大滝と平湯温泉を擁する奥飛騨平湯大滝公園内には、足湯、蕎麦打ち体験館などの施設のほか、キャンプやスキーも楽しめるエリアでもありますので、せっかくなら宿泊を兼ねてゆっくり訪れたいものですね。
「平湯大滝」(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)
●アクセス/【車】東京方面、名古屋方面、富山・金沢方面等のからのアクセスについては、 奥飛騨温泉郷観光協会をご参照ください
【電車】東京方面、名古屋方面、関西方面からのアクセス、高速バスについては 奥飛騨温泉郷観光協会をご参照ください
●詳細は奥飛騨温泉郷観光協会HPをご参照ください

季節を先取りして、こちらの一枚は「平湯大滝の氷曝」の様子
季節を先取りして、こちらの一枚は「平湯大滝の氷曝」の様子