中華料理店の「福」字のナゾ──漢字遊びの楽しさ 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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中華料理店の「福」字のナゾ──漢字遊びの楽しさ

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「倒福」の縁起物でもある、逆さまの「福」

「倒福」の縁起物でもある、逆さまの「福」

「双喜紋」があしらわれたラーメンどんぶり

「双喜紋」があしらわれたラーメンどんぶり

「招財進寶(宝)」の文字に込められた意味は「どんどん儲かれ!」

「招財進寶(宝)」の文字に込められた意味は「どんどん儲かれ!」

芸術、読書、レジャーより、やっぱり「食欲の秋」でしょ!
そんな食いしん坊の方にひとつ質問をしたいと思います。
Q : 中華料理店には「福」の字が逆さまになっている、赤い小さなポスターが貼ってあることがあります。「福」を逆さまに貼ってしまったら、逆の意味になってしまうようにも思えるのに、なぜ、逆さまなのでしょう。そして、逆さまの「福」には、どんな意味が込められているのでしょうか。
今回は、その答えをひもといていきましょう。

なぜ「福」が逆さまに?

実はこれは漢字の音と意味を利用した漢字遊びが縁起物になっているもの。
中国語で「福」を逆さまにすると、「倒福 dao fu」となります。この「倒dao」と同じ音を持っているのが、「到dao」。つまり、「やってくる」を意味しています。
「倒福」は「到福」と同じ発音であることから、逆さまになった「福」は「福がやってくる」と同じ意味になる、というしゃれになっているのです。中国の人はこんな遊びが大好きです。
小腹が空いて、中華料理店に立ち寄った際に、逆さまの「福」を見かけたら、「福よ、やってこい」と念じてみるとよいかもしれませんね。

コウモリが縁起がいいのはどうして?

このほかにも、中華料理屋で「寿」「喜」などの文字を文様化したものもよく見かけます。ラーメンどんぶりの縁にも「喜」が組み合わされた「双喜紋」が描かれています。
さらに、紙切りで表現した飾りものや家具などの装飾になっていることも多いですね。これは文字の意味そのものですから、ストレートでわかりやすいのですが、そうした文様と組み合わされてコウモリが描かれているのはちょっと不思議ですね。
コウモリというと、日本人にとっては、なにか不気味な生き物、というイメージがあるのに、なぜ縁起物になっているんでしょう? 実はこれも漢字に関係があります。
コウモリを漢字で書くと「蝙蝠」。この発音は「bian fu」。これと同じ発音なのが、「遍福」です。
つまりコウモリは「福が遍(あまね)く広くいきわたる」という言葉と同じ音を持っているのです。このようにしてコウモリのイラストが吉祥の文様になるというわけです。

どんどん儲(もう)かれ!の意味が込められた、「招財進寶(宝)」

「招財進寶(宝)」(どんどん儲かる)をひとつの文字のように組み合わせて文様にしている例などもあります。
画像を見るとわかる通り、「招」のへんが「財」のつくりになっていて、漢字の一部を共有するように図案化されています。これを「合字」といいますが、「進」の「しんにゅう」がまるで波の間を進む船のようで、全体が宝船のように描かれています。
こんなふうに漢字はそのかたちと意味と音と重ねるようにして、遊ぶことができるのです。それが幸福を願う記号になっているわけですね。
──言葉には、その言葉を口にすると、そのことが現実のものとなる、という「言霊(ことだま)」という考えがありますが、漢字には、その意味が現実のものとなる「文字霊」への期待があるのかもしれません。


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