今年は、残暑もさほど厳しくなく、9月に入ったと同時に秋風が吹き始めた日本列島。一年で一番おしゃれをしたくなる秋本番になりました。もうおしゃれに敏感な方は、秋のワードローブ計画を実践に移してらっしゃると思います。そして、9月は、おしゃれの中心地ヨーロッパなどではコレクションウィークと呼ばれ、各地でファッションショーが開催されています。

もう来年の春夏コレクションが開催されています
もう来年の春夏コレクションが開催されています

世界4大コレクション

世界中のファッションの流行を決めるといって過言ではない世界4大コレクション。ニューヨークを皮切りにロンドン、ミラノ、パリと各地で年2回(2月と9月)開催されています。9月は、来年春夏のコレクションの季節。一昔前前なら、約1ヶ月〜2ヶ月先のファッション雑誌で取り上げられるまで一般の私たちはその様子をうかがい知ることはできませんでしたが、今やインターネット・SNSの時代、ファッションショーの様子は、瞬時に発信され、様々なメディアで見ることができるようになりました。ファッションショーそのものも、もちろんおしゃれでため息が出てしまいますが、近年注目が集まっているのは、ランウェイではなく、どうやらちょっと違うようなのです。

フロントロウ、エディター、ブロガーって?

そうなのです。近年注目が集まっているのは、ファッションショーに集う人々、いわゆる「セレブ」たちのようなのです。
⚫︎フロントロウ
デザイナー達の作品をまといモデルたちが次々と歩き抜ける、一段高く細長い舞台はランウェイと呼ばれ、その周りには招待された顧客達が座りコレクションを観賞するのが、いわゆるファッションショーですが、ランウェイが映される時必ず一緒に映し出されるのが最前列の招待客席です。その最前列は「フロントロウ」と呼ばれています。招待客の席は予め決まっており、フロントロウには、ハリウッド女優や歌手、など世界の名だたるセレブ達が並ぶよう配されているそう。フロントロウにいかに世界的セレブを呼べるかで、そのコレクションの注目度も左右されると言われ、旬なブランドであるかどうかも判断されてしまうそうです。
⚫︎エディター
エディター、そのものズバリ「編集者」、ファッションメディアに携わる人々のことです。世界的な有名雑誌・ヴォーグやエルなどの編集長や編集者、スタイリスト…ファッションショーに招待されているエディター達は最先端のファッションを身にまといコレクションに集います。ファッションショーのレポートをするのが彼女達の仕事ですがモデル顔負けのスタイルとスタイリッシュなコーディネイトで彼女たち自身の方が今や注目されています。洋服はもちろん、バッグや靴まで最先端のアイテムをトータルコーディネイトしている彼女達は本当におしゃれ。ファッションショーに登場するモデル達は筆者には別世界ですが、エディター達のスタイルはちょっと真似してみたい、と思わせてくれるからでしょうか。もちろん全身ブランド物を身につけた彼女達も雲の上の存在ですが。彼女達がコレクション会場に集まる際持っている大きめのバッグ(仕事に使う資料などもすっぽり入るサイズのもの)は「エディターズバッグ」と呼ばれ大流行し、現在もその呼び名が定着しているほどです。
⚫︎ブロガー
そして最近、一番注目されているのが、この人達なのでは。SNSなどで自らのスタイリングを発信しているブロガーです。ストリートファッションなどを取り入れた独自のファッションで何万人ものフォロワーがいる彼らは今一番影響力があるのかもしれません。SNS世代の彼らは若くてエネルギッシュ。これからますますファッションショー会場で注目の的になっていくのかもしれませんね。

映画でファッションビジネスの裏側を覗いてみませんか

現在、世界で最もファッション界に影響力があると言われているエディターが、アメリカ版ヴォーグの編集長、アナ・ウィンターです。彼女のアシスタントを務めた女性が、きらびやかなファッション雑誌の内幕を描いたベストセラー本を映画化したのが同名の「プラダを着た悪魔」(2006年)です。ファッション界の女王として長年君臨し続けるアナ・ウィンターの無理難題な命令に振り回されるアシスタント達の日常は過酷ですが、世界的に影響力のあるアメリカンヴォーグの編集室には有名ブランドの最先端の商品が提供され、華やかそのもの。大変そうですが、やはりオシャレ好きな女性なら憧れてしまいます。
また、シャネルの半生を描いた「ココ・シャネル」(1981年)も、現在のプレタポルテ(高級既製服)ファッションショーの原点が垣間見れる作品なので、おしゃれ好きの方にはオススメの一本です。
今月から、どんどん発信される4大コレクションの様子。発表されるのは来年春夏のものですが、そこに集まるセレブ達は秋のファッションに身を包んでいます。中々真似するのは難しいですが、ちょっとでも参考にしてみたいものですね。
※ニューヨークコレクション:9月7日〜13日、ロンドンコレクション:9月15日〜19日、ミラノコレクション:9月20日〜25日、パリコレクション:9月26日〜10月3日