二十四節気の『小満(しょうまん)』がやってきました。東京・浅草の三社祭の熱気と共に、この週末は気温が各地で急上昇。立夏から数えて15日目の本日ですが、梅雨を前に真夏の暑さがすでに訪れたかのよう。草木もいよいよ青々と濃く繁っています。

万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る

北海道ですら30度を記録し、全国各地で真夏日となったこの週末。本日21日からは暦変わって二十四節気『小満(しょうまん)』。気が付けば緑がいっそう濃くなり、陽ざしも強くなり、少し動けば汗ばむようで今年の真夏の暑さが懸念されますね。
「小満」は、黄金色に色づいた麦が収穫のときを迎えるころ。暦便覧には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と解釈されています。したたるような青葉を吹き抜ける風に、少しずつ湿度が含まれてきているのを感じます。

ぷっくり満ちてふくらんだ空豆の別名は「蚕豆」

青々とした空豆も満ちるようにふくらんで、店頭に並ぶころ。ほっくりとした旬の味わいは、季節そのものを味わうようです。
空豆といえば、別名「蚕豆」。そういえば、サヤの形はどこか蚕に似ているような。この時期は、かつて盛んだった養蚕業も忙しい時期でした。古代より神仕事といわれ、大事にされてきた稲作と機織り。この機織りに深く関わるお蚕さんたちが、桑の葉を盛んに食べるのが今時分。たくさん食べた後は糸を出し繭をつくり、その繭から絹糸がよられ、美しい絹の衣となるのです。

ラッキーライラックを求めて北の街へ

熱気あふれる浅草では三社祭がいよいよ佳境に入りますが、所変わっ北の大地・札幌では、「さっぽろライラックまつり」が行われています。大通り公園には約400本もの花が咲き誇り、様々なイベントを実施。川下公園でも世界のライラックが美しさを競うのだそうです。
フランス名は「リラ」。和名は「ムラサキハシドイ」。
ちょうど藤の花を逆さまに咲かせたようなライラックは、紫や白、ピンクなど優美な色合いでとてもエレガント。房状になって咲く小さな花は、その花弁が普通は4つに裂けているようですが、ときに5つに裂けているものが見つかるとか。ほのかな香りに満ちたリラの街路樹を歩いて、恋のおまじないといわれる5弁の「ラッキーライラック」を探してみるのもロマンチックです。

梅雨を前に様々に地上に満ちゆく生命たち。繁りゆく青葉に、風にそよぐ草の匂いに、ゆっくりと盛夏へと向かう気配を感じる「小満」の時節です。