七十二候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。明日はイースター。虹のはじまりをご存じですか? 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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七十二候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。明日はイースター。虹のはじまりをご存じですか?

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たいていこんな形をしていますよね、はこぶね。

たいていこんな形をしていますよね、はこぶね。

うさたまおめでとう♪

うさたまおめでとう♪

天国の美しさをおしえてくれているのかな

天国の美しさをおしえてくれているのかな

「虹始見(にじ はじめて あらわる)」、雨あがりの空に虹があらわれはじめる時季です。虹をみつけると、なぜだか「今すぐ人におしえなくちゃ!」という気持ちになりませんか? この世界にはじめて虹がかかったのは、いつ、なんのためだったのでしょう。ところで、明日4月16日は2017年のイースター(キリストの復活祭)。日本でも年々イベントが盛んになり、色とりどりのイースターエッグを飾ったり、卵料理やケーキを楽しんだり、ウサギの耳でコスプレしたりと、楽しむ人が増えていますね。なぜ「復活」をお祝いするのでしょうか?

この世にはじめてあらわれた虹とは

旧約聖書の最初のほう(創世記9章)に、「世界ではじめてあらわれた」とされる虹が登場します。それはあの「ノアのはこぶね」の一場面。簡単にいうと、こんな内容です。
人間があまりに悪いので、神様は地上の生物を全部滅ぼすことにしました(ひー)。けれども、とても敬虔なノアという人がいたので、神様は彼に「大きな箱舟を作って、家族やすべての動物たちのつがいと一緒にその中に入りなさい」と命じます。ノアは苦労して言われたとおりの手順で大きな箱舟を造り、言われたとおりのメンバーで乗り込んだのでした。すると大雨が降り出し、四十日四十夜も激しく降り続けて、とうとう大洪水になってしまいます。ノアたちは神様に出なさいと言われるまで、なんと約1年間も船内に。ようやく箱舟を出たノアたちは、すぐに祭壇を築いて神様に感謝をささげます。そのとき。「このような洪水で全生物を滅ぼすようなことは、もう二度としない。その約束のしるしに」と、美しい虹が空にあらわれたのでした。こうしてまた人間は産み増やされていったのです(意外にも私たち、みんなノアさんの子孫だったとは!)。
「ノアのはこぶね」というと「選ばれて危険を回避したラッキーな人の話」というイメージがありましたが、聖書を読んでみると、ノアさんの試練は並大抵でなかったことが判明します。「あいつ変なこと始めた」と当然言われたでしょうし、動物たちをもれなくあつめて、船内で1年間飼育して、家族もちゃんと養うだなんて。食べ物は? 船内&精神衛生は? というか完全に個人の能力を超えた無茶ぶりじゃ… と、真っ当な人であるノアさんもきっと感じたに違いありません。「でもほら、神様はできることしか命じないから、ね」という確信のもと、ひとつ行うごとに全力でお祈りしながらクリアしていったのでしょうか。人間には考えつかない、神の解決法を聞きながら。

イースターの喜びは虹に似ている

ところでこの「箱舟」。挿絵などではたいてい、ボートの上に箱が乗っかったような形に描かれていますが、実際には直方体、つまり本当に「ただの箱」型だったようです。聖書にはサイズも記されていて、その比率で模型を作るとちゃんと浮くのだとか(たしかに目的は航海ではなく、ひたすら浮くことでしたね)。長さの単位は「キュビト」。メートル法では単位設定によって違いが生じるのですが、少なくとも長さ約130m・幅約22m・高さ約13m以上の大きさだったとされています(また、この比率は現在のタンカーなど大型船を造船するとき最も安定する比率とほぼ同じなのだそうです)。造るのがとっても大変そう! 神様の意志はわかりませんが、できあがった船を与えないことにもきっと何か意味があったのでしょうね…。
イースターは、毎年日にちが変わります。基本的には「春分の日の後の最初の満月の、次の日曜日」。ちょっとややこしいですね。今年の満月は4月11日(火)だったので、イースターは16日(日)。特別な礼拝やイベントを行う教会も多いので、興味のある方は足を運んでみては。
じつはこのお祭りの前には「受難節(レント)」という慎みの期間があるのをご存じでしょうか。「受難」というのは、ご存じのようにキリストが十字架刑によって死んだことを指します。お弟子さんのひとりであるユダの裏切りが直接の原因とされていますが、実際は、そこにいたあらゆる人々の心に潜むダークな要素(欲望とか恐れとか)も無関係ではありませんでした。それどころか、国や時代も越えて人類が共通してもっている「弱さ」みたいなものにより、キリストは十字架につけられたといわれています。
「復活」について書かれているのは、新約聖書です。キリストは、息を引き取ってから3日目によみがえり、弟子たちの前に姿をあらわします(そうするからね!と前もって聞いていたお弟子さんたちでしたが、すぐには復活を信じなかったとも記されています)。
受難のあとの喜びと祝福。イースターは、まるで虹のようです。色とりどりの卵やウサギは、命の象徴。キリストの復活によって約束された「永遠の命」をお祝いするのが、イースターというお祭りだったのですね。

虹を見ると誰かに言いたくなる不思議

『虹』   石垣りん
虹が出ると
みんなおしえたがるよ
とても大きくて
とても美しくて
すぐに消えてしまうから
ためておけないから
虹をとりこにして
ひとつ金もうけしようなんて
だれも考えないから
知らない人にまで
大急ぎで教えたがるよ
虹だ!
虹が出てるよ
にんげんて
そういうものなんだ
虹が出ないかな
まいにち
虹のようなものが
出ないかな
空に。
『レモンとねずみ』よりそんな虹が空にあらわれると、現代人の心も軽く興奮してしまいます。「神様がまもってくださるよぉぉぉ〜」というノアさんから子孫へのメッセージも(エコー付きで)聞こえてくるような? そしてきれいな虹を人に教えたくなる人間の心が、なんだかうれしいですね。
<参考>
『聖書』新改訳(日本聖書刊行会)
『レモンとねずみ』石垣りん(株式会社 童話屋)


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