みなさんは、3月11日が「パンダ発見の日」であることを知っていましたか?今となっては広く世界に知られているパンダですが、彼らにまだまだ多くの謎があるようです。
今回は、そんなパンダの歴史と生態をご紹介します。

クマなの?アライグマなの?謎に包まれた幻の動物

パンダは、中国では古くから「獏」という生き物として知られていました。しかも唐の時代には2頭のパンダが日本に送られたともされています。しかしパンダは古くから知られていたにも関わらず、実在の動物というよりは幻の動物と考えられていたようです。
1869年(明治2年)3月11日、とある猟師がフランス人宣教師のダビッド神父のもとへパンダの毛皮を持って行きました。それを見たダビッド神父は「白黒のクマがヨーロッパでは知られていない!」ということに気づきます。このことをきっかけに、パンダの存在が広く知られることとなったのです。
パンダの存在が知れ渡ってからは、「パンダはクマの仲間なの?アライグマの仲間なの?」という論争が起こりました。この論争は100年以上も続き、後にDNA分析によって「パンダはクマの仲間」ということがわかったのです。
幻の動物と呼ばれ続けてその正体がわかるまでには、こんなにも長い時間が必要だったんですね。

パンダといえばやっぱり「竹」。彼らの深刻な食糧事情

パンダの主食といえば、みなさんもご存じの「竹」。ところでみなさんはパンダの食事量を知っていますか?なんとパンダは一日に最長で14時間も食事をしているのです。というのも竹は栄養価が低く、食べ続けていないと栄養を充分に摂取できないのだとか…。竹をムシャムシャと食べ続けるその姿から、生息地近くの地域の人々からは「バンブーベア」というあだ名がつけられています。
竹は数十年から百年の周期で枯死します。パンダの生息地にはいくつかの種類の竹が生えており、ある種類の竹が枯死する時期には枯れていない他の種類の竹を選んで食べているのです。しかし近年、開発による生息地の分断・縮小によって竹が一斉に枯死し、パンダが餓死してしまうという問題が起こっています。さらに地球温暖化による竹の減少…。パンダの食糧事情は深刻です。
幻の動物と呼ばれていたパンダが本当に幻になってしまわないように、私たち一人ひとりも環境保全に対する意識を高めていかなければならないのかもしれませんね。

動物園のアイドルに会いに行こう!

春の陽が差し込む暖かい日が続くようになってきました。パンダがいる動物園は限られていますが、彼らに会いに動物園に赴いてみてはいかがでしょうか。
幻の動物と呼ばれていただけあって、パンダにはまだまだ多くの謎があります。もしかしたら新しい発見があるかもしれませんよ。

参考サイト
WWF, パンダの保護活動
GIANT PANDA FAMILY SITE:http://pandababy-aws.com/breeding/index.html