江戸時代から愛されてきた春のスイーツ、桜餅

2017/03/08 16:30

三寒四温とはよく言ったもので、本当に3日寒い日が続くと、4日温かい日が続く……そんな春先特有の気候ですね。 何を着ようか悩む日々に、「早く春が来ないかな」……そう思っている方も多いのではないでしょうか? 春を待ちわびるこの時季、スーパーやデパートに並ぶ和菓子といえば、桜餅。淡いピンク色がかわいらしく、思わず目が止まります。実は桜餅は、江戸時代から庶民に愛されてきた歴史ある和菓子なんですよ。 今回は、そんな桜餅のトリビアをいくつかご紹介していきましょう。

桜餅が出まわると、いよいよ春到来!ですね
桜餅が出まわると、いよいよ春到来!ですね
桜餅を考えた人ってどんな人? 享保2(1717)年、向島の長命寺の門番をしていた山本新六が「山本屋」を創業しました。ちょうどその頃、徳川8代将軍吉宗が隅田川沿いに桜の木を植えることを決め、秋には落ち葉が辺り一面を覆うようになったのです。 店先に積もる桜の葉の処分に困った山本新六は、それを塩漬けにして餅に巻くことを思いつき、店で販売したところ広く評判になったのだそうです。 ところで、皆さんが目にする桜餅は大きく分けて2種類のタイプがあるのですが、違いをご存じですか? 山本新六が考案した桜餅は「長命寺餅」とも呼ばれます。 当初米粉の生地であったのが葛粉にかわり、今では小麦粉の生地で餡を包んでいます。 一方で、長命寺餅の人気にならって大阪は北堀江の「土佐屋」でも桜餅が販売され始めました。 こちらは当初片栗粉や葛粉の生地でしたが、いつからか道明寺粉を蒸したもので餡を包むようになり、「道明寺餅」と呼ばれるようになりました。 関東では「長命寺餅」、関西以西では「道明寺餅」が一般的と言えますが、実際のところスーパー、コンビニ、デパートなどではどちらもお店に並んでおり、当たり前のように目にするようになりました。皆さんの好みはどちらでしょうか?
江戸時代から変わらぬ隅田川沿いの桜並木
江戸時代から変わらぬ隅田川沿いの桜並木
桜餅の葉は食べるか食べないか 「長命寺餅」か「道明寺餅」か……という議論以上に、桜餅と言えばしばしば話題になるのが「葉を食べるか食べないか問題」です。 「塩味の葉と餡の甘さがよく合う」「葉は剥がしにくいので食べる」という“食べる派”に対して、「しょっぱすぎる」「葉のスジが硬くて食べにくい」「桜の香り成分クマリンは肝毒性がある」という“食べない派”の反論もあり、なかなか正解が見えない問題です。 桜餅を提供するお店ならば正解を知っているはず!と思いきや、実はお店によって見解が分かれているのです。 たとえば「向島 長命寺桜もち」では「葉を巻くのは香りづけと乾燥防止が目的なので、食べないことをお勧めします」とのことですが、「京都 御菓子司中村軒」では「葉ごとお召し上りいただけます」ときっぱり。しかしこのように立場をはっきり示しているお店は少数派で、多くのお店では「食べてほしい」とも「食べないでほしい」とも明言していません。つまり、判断は私たちにゆだねられているのです。 あるインターネット調査では、約8割の人が“食べる派”だったそうで、多数決なら「食べる」に軍配が上がりそうです。 ……が! 食の好みは十人十色。いいのです、桜餅の葉を食べても食べなくても。 ―― 江戸の世からいったい何人の日本人が桜餅を食べてきたでしょうか。ひとくち食べれば春爛満を感じられる日本ならではのスイーツ「桜餅」。今年もお好きなタイプをお好きなように食べて、春の訪れを感じてくださいね!
こちらは関東スタイルの「長命寺餅」
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