インスタントでもいいので、朝こそ温かい味噌汁を飲んで元気な一日を!
インスタントでもいいので、朝こそ温かい味噌汁を飲んで元気な一日を!
左から米味噌、麦味噌、豆味噌
左から米味噌、麦味噌、豆味噌
豚汁は体を温めるパワーフードですね
豚汁は体を温めるパワーフードですね

 小さい頃から慣れ親しみ、食卓にあることが当たり前の味噌汁ですが、実はとても体にいい……ということは意外と知られていません。

 具の組み合わせや味噌の種類でたくさんの種類が作れるうえ、その日の冷蔵庫にある食材だけで簡単に作れるのですが、最近では「朝食はパンなどの洋食派」「味噌汁作りは面倒」と言う人も多いようです。

 とはいえ、海外の人にも「ミソスープ」として親しまれ、寒い冬こそ体を温めるために食したい味噌汁……。その優れた効能をあらためて見直してみませんか。

■味噌のこといろいろ……

 味噌は日本の伝統的な発酵食品であり、大豆を発酵させて作ることで大豆に含まれるアミノ酸やビタミン類が多く生成され、直接大豆を食べるより多くの栄養が摂取できることになります。

 さらに、味噌は地域によって独自に発展してきたものなので、種類が多い点も特長です。

 味噌は「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」に大別されますが、この違いは大豆と一緒にどんな麹を原材料にしているかによります。

「米味噌」
米味噌は米麹を使うことでその名がつき、日本で最大のシェアを占めています。地域によって赤や白の米味噌や、味わいも甘め・辛めがありますが、その違いは「発酵熟成期間が短い=白い」「発酵熟成期間が長い=赤く」、さらに「米麹の分量が多い=甘め」「米麹の分量が少ない=辛め」となります。

「麦味噌」
麦味噌は麦麹を使っていて、主に四国・中国・九州地方で作られています。例えば九州であれば「薩摩味噌」や「長崎味噌」など麦味噌の有名なブランドも数多いですね。

「豆味噌」
豆麹を使っていることから見た目も深い赤褐色で、主に東海地方で作られています。「味噌カツ」「味噌煮込みうどん」「味噌おでん」「どて煮」と言えば名古屋ですが、どれも赤味噌ですね。

■体を温める味噌汁には、様々なうれしい効果が

 味噌汁は当然ながら温かい飲み物ですから、朝に飲むことで体の中から温まり、代謝を上げることができます。

 さらに味噌汁には、体のエネルギーを作るために必要な栄養素であるビタミンB1やタンパク質が含まれているので、冷え性の方の朝食としてもおすすめです。とくに「これから仕事をするぞ」「学校に行くぞ」という朝のタイミングほど、体に取り入れたい飲み物なのです。

 あわせて、大豆のサポニンやペプチドという成分が基礎代謝を上げる働きと、発酵食という側面から、腸内環境が整う→腸が刺激され→交感神経の働きが高まる→代謝が上がるダブル効果が期待できるのです。

 さらに具材によって、タンパク質、ビタミンB2、ビタミンE、食物繊維、アミノ酸……など、たくさんの栄養素を摂取できる、栄養バランスの優れたものとも言えます。

■体にいい味噌汁の具材あれこれ

 冬が旬の野菜や根菜類は、体を温める効果があると言われていますが、なかでも大根、かぶ、ごぼう、たまねぎなどが、この時季の味噌汁の具には最適です。さらに、お好みでネギ、生姜、唐辛子などの薬味を加えると、より体を温めることができます。

 体によい味噌汁について理解できたところで、シーン別におすすめしたい具の組み合わせを見ていきましょう。

【昨晩は深酒してしまった……という二日酔いのときには】
・しじみ(オルニチン→肝臓)
・あさり(タウリン→肝臓)
・白菜(ビタミンC→アルコール分解) などの具材が最適!

【疲れが蓄積して、風邪を引きそうだな……というときには】
・ほうれん草
・人参
・かぼちゃ……など、免疫力を上げるビタミンAが豊富な緑黄色野菜を具材が最適!

【冷えや疲れから、むくみが気になるときには】
・海藻類
・きのこ類
・芋類 などナトリウムにくっつき水分を排出するカリウム豊富な食材が最適!

――和食ばなれといわれる現代。朝は忙しくて食事をとる時間がないから……という人は、味噌汁の優れた効能を見つめなおし、明日から早速、試しに飲んでみては。何より、体が温まるだけでなく、体からエネルギーがわくような感覚が実感できることでしょう。

※配信後、記事の内容を一部修正しました。