夏になるとよく見かけるけれど、冬になると姿を消す生物……。そう聞いて思い浮かべるのは、何でしょうか?
不気味な黒光りで人間から嫌われる虫、そう、ゴキブリです。
ゴキブリは25℃くらいの温暖な環境を好み、寒さは苦手といわれています。そのため夏になるとよく見かけるのですが、冬の間は一体どうやって過ごしているのでしょうか?
実はゴキブリを見かけない冬こそが、ゴキブリを撃退する絶好のチャンスなのです。
そして、気になる「ゴキブリの撃退法」とは、一体どんなものなのでしょうか?

寒さが苦手なのは人間だけでなく、実はあの虫も……
寒さが苦手なのは人間だけでなく、実はあの虫も……

意外と知られていない、ゴキブリの特徴

多くの人にとって、生理的に受け付けないといって過言ではない生物、それが「ゴキブリ」です。
夏になると活発に動くゴキブリですが、一体どんな生物かご存じでしょうか?
ゴキブリは一般的に寒さに弱いといわれていますが、実はその生命力の強さといったらかなりのもの。ゴキブリが地球に存在し始めたのが、何と約3億年前といわれているほどなのです!
つまりゴキブリは様々な自然環境の変化にも耐えられる、とてつもない適応能力を持ちあわせている生物なのです。
しかし、そんなゴキブリでも苦手なものがあります。
── それは、「寒さ」です。
かつては、北海道にはゴキブリは生息しないといわれていました。ですが、最近では温暖化や暖房器具の進化によって、北海道にもゴキブリが生息するようになっています。
さらに、ゴキブリは人間の毛髪や垢といったわずかなものを食べて生き延びることができるので、ここには食べ物がないから大丈夫……といっても油断はできないのです。

ゴキブリは冬の間、何をしている?

例えば、クマやモグラといった恒温動物は、冬の間は冬眠に入って種を保存する術を身につけていますが、ゴキブリはどうでしょうか?
寒さに弱いゴキブリですが、土に潜って冬眠といったような行動はしません。かつてのゴキブリは、カブトムシのように、1年を寿命としたサイクルで冬は卵の状態だったとされています。
ですが、賢いゴキブリたちは長い時間の中で、冬の間でも温かい場所があることを学習したのです。それは、暖房の効いた部屋の中のこと。
何より、人間が暮らす部屋が温かいことはもちろん、暖房が効いていない環境でも冷蔵庫など家電の後ろは温かいため、巣をつくりやすいことを学んだのです。そういえば、台所の家具・家電の後ろや、テレビラックの後ろからゴキブリが現れる様を目撃した人も多いのではないでしょうか。
つまり……夏場のように活発に動くことはないものの、ひそかに家庭の中で生き延びている可能性があるのです。

冷蔵庫の裏の温かさは要注意
冷蔵庫の裏の温かさは要注意

冬こそ、ゴキブリ撃退のチャンス

スプレー式殺虫剤を1回噴霧してくらいではなかなか死なない、しぶといゴキブリ……。
「1匹見かけたら100匹はいる」と言われるくらい繁殖能力の高いゴキブリですから、早いうちに家の中から絶滅させないと大変なことになってしまいます。
そして、今の時季はゴキブリを見かけることはありませんが、気温の低い冬こそがゴキブリ退治の絶好のタイミングなのです。
ゴキブリを撃退するポイント・その1/「温度」
ゴキブリは10℃以下で繁殖能力を失うといわれています。
少し荒々しい方法ですが、真冬に3日ほど部屋の窓を開けっ放しておくと、ゴキブリが寄りつかなくなるという説もあるのです……。
とはいえ、さすがに真冬のこの時期に家にいるにもかかわらず、常に窓を開けておくというのは無理難題ですが、夏場にゴキブリが頻出する家庭では、できる限り家の中を10℃以下にする方法が撃退のポイントとなりそうなのです。

コギブリは水が大好き
コギブリは水が大好き

ゴキブリを撃退するポイント・その2/「湿度」
「乾燥」に弱いとされるゴキブリは、水があれば2カ月は生き延びるといわれていますから、よく水まわりに現れるのが特徴です。
先ほど、真冬に窓を開けておくといい……とお伝えしましたが、冬の乾燥した空気を取り入れるということもゴキブリにとっては過酷な環境になることでしょう。
―― なるべくなら、その姿を見なくて済むような対策をとっておきたいもの。
夏場にちょくちょくゴキブリと遭遇するご家庭では、試しに今のうちからゴキブリが苦手な環境をつくってみて、今年の夏に備えてみては!

キッチンは、温かい場所や隙間がたくさん!
キッチンは、温かい場所や隙間がたくさん!