今シーズンで一番長く強い寒波の到来と共に、2017年が半月経ちました。北日本や日本海側を中心に積雪がさらに増すようですから、お出かけの際には十分にご注意ください。さて、1月のこの時期は小正月と呼ばれ、農作物の豊作を祈ったり、お正月飾りなどをどんと焼きで焼いて年始に迎えた年神様をお送りするという行事が行われる地域もあります。また、年始の来客などで忙しくしていた女性達がこの時期に挨拶回りを始めたり、年賀の行事に区切りがついてひとやすみできることから女正月と呼ぶ地域もあるそうです。そして、この一区切りにさらなる無病息災を祈って、小豆粥をいただくという風習があることをご存知ですか? 今回はその小正月と小豆粥についてご紹介いたします。

小正月はお正月の一区切り、年神様をお送りする

年末年始を海外で過ごす人や、市街地のお店は休みなく開店していたりと、日本古来のお正月文化と比較すると多様化したお正月の過ごし方が可能な現代では、「お正月はいつ終わるのか」など意識することもなく三箇日を終え、仕事や学業に入っていく方が殆どかと思うのですが、かつては1月15日(前後1日という地域もあり)を小正月とし、多くの地域でどんと焼きが行われ、年神様をお送りするという風習をもってお正月に幕がおろされました。松飾りやしめ縄、書き初めなどであがったどんと焼きの炎でを焼いて健康を祈願したり、邪気を払うとされた赤い食べ物の小豆粥をいただいて無病息災を祈る風習も小正月の行事のひとつでした。

無病息災を祈った小豆粥は、エイジングケアにも有効!?

さて、1月7日の七草粥に続き、無病息災を願っていただく小豆粥ですが、小正月でなくとも日常的に取り入れたいほど、日本人にぴったりのソウルフードと言えそうです。タンパク質が豊富で脂質の少ない小豆は、ビタミン・ミネラル・食物繊維はもちろんのこと、ポリフェノールがチョコレートや赤ワイン以上に豊富に含まれており、その抗菌作用や抗酸化作用で健康維持やアンチエイジング効果が大いに期待できる食材だからです。特に、小豆を調理するときの煮汁がその栄養素を多く含んでいるので、その全部を丸ごと頂けるお粥は胃の負担も軽く、体調を崩し気味でも無理なくいただくことができる嬉しい調理法です。また、お祝い事の席に小豆を使ったお赤飯が並ぶように、小豆粥も同様に晴れの日の食べ物とされていますので、なんでもない日でも嬉しい気持ちにさせてくれそうです。小正月という行事に触れる機会の少ない現代ですが、今年は小豆粥を食べて改めて2017年の無病息災を祈ってみてはいかがでしょうか。