恋とクルマと音楽と:コラムNo.12

「恋とクルマと音楽と」この年末は冬の空のように”クリアに告白月間”ということで書き進めていますが、今回は思春期の「恋に恋する…」に対し、40を過ぎた頃から始まるアキラメラレナイ病的な「故意に恋する問題」について考えてみようと思います。当然、この病にかかるといつも以上にクルマに執着する傾向があります。
ところで、ここでコラムを書かせていただくようになってから、気象にまつわる単語に敏感になっていますが、最近は、”氷点下”という言葉の美しさにほれぼれしています。言い換えれば、”凍る境界線”…地上に霜の絨毯を引き、天に雪の花びらを撒く合図です。
僕は、この”境界線”の感覚にとてもひかれてしまいます。例えば、前述した「恋に恋する…」状態も境界線ですし、「故意に恋する」状態は境界線を自分の意志で越えようとしている状態に読めてくるのです。
さてさて、安藤きをくさんの空の写真を眺めながら、”コイ”と遊んでみましょう。

本当の恋は、故意には恋はできない。

人は、人に恋をします。
これは、故意ではなく、そんな生き物としてプログラムされているようで、春が来れば夏が来て、秋が来れば冬が来るように、ごく自然に恋することになっています。
が!
すでに恋愛対象や交際中の人がいるにも関わらずこのプログラムが作動するとややこしいことになります。これを恋愛プログラムのバグと呼びます。国のルールや国柄によって、このバグ解決のプライオリティが高くなったり低くなったりという違いはありますが、男女関係にフォーカスして見れば、世界的、人類的バグと言って間違いないでしょう。
簡単に言えば、春のドカ雪や冬の真夏日みたいなやつですかね。
ただ、これは相当に難しい問題ではないのか!?とあえてテーブルの真ん中に置いて考えてみるとなかなか楽しいものです。いい年をして恋とは何か、恋してもいい条件とは何なのかを語るのです。例えば、「恋ってどこからが恋なの?」「アイドルにはまるのは恋?」「同窓会で昔の恋人と会って、二人で二次会に行ったらアウト?」とかやるんです。ぜひ、忘年会で語ってください。そしてもうひとつ、この冬、クルマの中の二人きり時間を積極的に作ってみてはいかがでしょう。素敵な音楽を添えると会話が最低限で済みますから、二人の距離感や相性を確認するにはとても便利です。
と、僕は今、ニヤニヤしながら書いてますが、”人を好きになってしまうことは仕方がない”けれども、”その気持ちと関連した行動に移すか移さないか”が、実は問題で、人が人を好きになること自体は誰にも止められないのではないか説を気に留めて曲紹介に移ります。

歌詞のないラブソングに心をゆだねる

恋をすると全員が詩人モードに入るので歌詞がない音楽を楽しんでみてもうおうということで、今回はインストゥルメンタルを2曲。
まずは、アール・クルーの「Mona Lisa」。皆さんよくご存じのスタンダードな曲で、もちろん歌詞がある名曲ですが、このアール・クルーのガットギターとストリングスバージョンは秀逸。恋している人を思いながら冬空の下のウッドデッキでホットココアにひざ掛け状態…とか、軽い喧嘩をしてしまった次の朝彼女を迎えに行くクルマの中で…とか、とにかく優しい気持ちに導いてくれる、まさに名画のような作品です。
ついでというのもなんですが、もし、「アール・クルー」というアーティストを初めて知った!という方は、その他の楽曲もどんどん聴いてみてくださいね。優しくおしゃれに歌うギターですから、センスの良いインテリアとして聴いていただけると思います。もちろん、クリスマス時間にばっちりあいますよ!!

アール・クルー「Mona Lisa」
アール・クルー「Mona Lisa」

2曲は、キース・ジャレットの「My Song」。
ジャズピアニストのスーパースターですが、この曲はキュンとくるサックスのメロディととことん優しいピアノの音がとても聴きやすく心に入ってきますので、忙しくて会えていない…または、わけあって会えない…などなど、様々な会えない人の気持ちに寄り添ってくれますので、日ごろ、ジャズとはなかなか接点がないみなさんも、ジャズとは思わず聴いてみてください。歌詞がないのに”歌っている”という表現がぴったりなことをご理解いただけるかと思います。
ということで、年末に詩人状態のみなさんも、「大掃除するよ!!!」とリアルに忙しいみなさんも、2016年の残り10日間、歌詞のないラブソング体験をしてみてください。
我々Amanekチャンネルは、年末年始のみなさんの安全運転を祈願しながら、初めての年末年始体験に奔走してみる所存ですので、「クルマに乗ったらAmanekチャンネル」を合言葉に素敵なドライブ時間をお過ごしください。
まずは、日本中のみなさんに、”メリー・クリスマス”

キース・ジャレット「My Song」
キース・ジャレット「My Song」