オシドリの夫は毎年奥さんを取り替えていた!! 11月22日は「いい夫婦」の日 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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オシドリの夫は毎年奥さんを取り替えていた!! 11月22日は「いい夫婦」の日

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いつもラブラブです

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めくるめくお花見デート

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ええっとそのジュリエットは あの奥さんじゃ?

ええっとそのジュリエットは あの奥さんじゃ?

亭主達者で留守がよいカモ☆

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そして翌年・・・

そして翌年・・・

明日は、11(いい)/22(ふーふ)の日。仲の良い夫婦を「おしどり夫婦」と呼んだりしますね。ところが、実際のオシドリ夫婦はなんと毎年離婚しているという噂が?! しかもオシドリの夫ときたら、生まれた子をかわいがることもなく、新しい恋人を口説きにさっさと家出してしまうというのです。もし真実なら、お手本にしちゃいけない夫婦なのでは・・・その真相にせまります。

人もうらやむ仲の良さ! 世界でも有名なイケメン夫

メスとオスが互いに愛し合うことから「をし(愛)」が鳥の名になったというオシドリ。「思い死ぬ鳥」を略した名という説もあります。夫婦仲が非常に睦まじいことをあらわす『鴛鴦の契り(えんおうのちぎり。鴛はオス、鴦はメスのオシドリ)』という言葉は、こんな哀しい故事がもとになっています。
中国の春秋時代。康王は、侍従である韓憑(かんぴょう)の妻が非常に美しいのに目を付け、無理やり側室にしてしまいました。妻を奪われた韓憑が恨むと(当然ですね)、怒った王は捕らえて罰し、手紙でこっそり夫に想いを伝えようとする妻を妨害。耐えかねた韓憑はとうとう自殺してしまいます。それを知った妻は「私が死んだら夫と合葬してください」と遺書を残して、王とでかけた先の高殿から身を投げます(とっさに袖を掴まれても破れるように、わざと腐らせた着物を着ていたといいます)。
王は「そんなに愛し合っているなら二つの墓を一つに合わせてみるがいい」と、ふたりを向かい合わせに葬ったのです。すると、一晩のうちに梓の樹が両方の墓から生えてきて、土の下では根が交わり地上では枝が絡まり合うと、一対の鴛鴦が巣を作り、日夜そこで寄り添って鳴き続けました。それを見た人々は、その鳥を韓憑夫妻の生まれ変わりだと言いはじめ、この木を『相思樹』と名付けたそうです。
オシドリのカップルは、都会でも木が茂る公園の水辺などで見ることができます。目を引くのは夫の派手さ華やかさ。お尻の方には『思羽根(おもいばね)』とも呼ばれる、イチョウみたいな羽がピンと上向いています。オスのオシドリは、日本にいる超美しい野鳥として世界のバードウォッチャーたちの憧れの的なのです。
そんなルックスのイケメン夫が、控えめな妻を片時も離さずエスコート! 誰かがちょっかいを出そうものなら激しく攻撃、全力でお守りし毛繕いまでしてあげる献身ぶりです。妻を奪われた韓憑さんの情念がDNAに刻み込まれているかのようです。美しすぎる夫の姿も、これでなるべく奥さんの方には目を付けられないようにしたいという気持ちのあらわれかもしれません・・・。

ヒナも生まれて幸せいっぱい・・・あれれ、お父さんはどこに?!

オシドリは、マガモやカルガモより小ぶりのカモ。だいたい1月〜3月にかけてつがいになり、巣を作る木を探しに出発します。山地の渓流や湖沼の周辺にある地表から10メートル以上の高さにある大木の樹洞(あるいはまれに地表)に巣を作り、4~6月に、9〜12個の卵を産むそうです。メスが卵を抱き始めて約30日後には、可愛いヒナが孵りました。
ヒナは生まれるとすぐ、これから暮らす水辺に行くために木の巣から地面に降りなくてはなりません。いきなりビルの三階くらいの高さ(約10メートル)から飛び降りる場合も・・・。
まずお母さんが巣から出て、あたりを用心深く見張ります。敵がいないことを確かめると、さっと木から飛び降りて下からヒナたちを呼びます。ヒナたちはお母さんに向かって次々とジャンプ! 下は柔らかい落ち葉なのでケガはしませんが、地面に落ちた時のショックでしぼらくぼーっとするヒナも。やがてハッと気づいてお母さんのもとへ駆け出します。うまく着地することができても、森の中にはイタチやヘビなどの敵が多くとても危険。そこで、お母さんは慎重にヒナたちを水辺に連れて行きます。みんなよくがんばりました。ところで、お父さんの姿が見当たらないような?
なんと!あんなにイチャイチャしていたのに、子どもができたとたん夫は豹変していました。子育てを奥さんひとりに押し付けて、自分は新たな恋をさがしに去ってしまったのです。「母のみで子育て」というカモ類の基本(だから親子のお引っ越しにはパパガモが並んでいないのですね)は、ラブラブ夫婦のオシドリにもあてはまっていたなんて!

母、たくまし。オシドリ的オシドリ夫婦とは?

おまけに、あの美しいルックスは期間限定。愛を語る「イチョウ羽」も体を張ったエスコートも、すべては婚活用だったのです。わずか半年の夫婦生活に終止符を打ち、地味な羽毛に生えかわってイケメンでも育メンでも夫でさえなくなるオシドリのオス。しかし年が明ければまた美しい羽根が生え、(新しい)奥さんとの仲睦まじい夫婦ぶりが目撃されるというわけなのですね。
一方、水辺で暮らすヒナたちは、すぐに自力で食べ物をとろうとします。水生植物、果実、種子、昆虫、陸棲の貝類などのほか、どんぐりなど皮の固い木の実も大好き。でもはじめのうちは、お母さんが自分の食べ物をときどき分けてあげるそうです。
「思い死ぬ」どころか半年くらいしか添い遂げられないオシドリのオス。人の目には「ダメ夫」にしか見えませんが、ひょっとすると、じつはオシドリ的にはこれがベストな関係だったりして?
たとえば、木の穴に作る狭い巣に卵を10個も産んだら親鳥が2羽入るスペースなんてなさそうだし、第一ド派手なパパが出入りしていたら敵にすぐマークされてしまいそうです。「きみたちの邪魔になるより離れた場所で幸運を祈るよ。兄弟もいっぱいつくっとくから」という父なりの愛、なのかもしれません。それにヒナは生まれてすぐ水辺でエサをとろうとする独立派なので、父が活躍する場がないという予感も。人間の奥さんにも「ここはむしろ私ひとりの方が効率がいい」という場面はままありますしね。さらに、そうして子どもを独立させたら、なんとお母さんも再婚しちゃうのでした。なにしろ鳥社会は完全にメス市場。イケメン夫を選ぶのは、いつでも妻の方なのです(ただし、元夫とよりが戻るケースはあまりないそうです)。
愛の形は人(鳥)それぞれ・・・オシドリを通して、夫婦の理想的な在り方をいま一度見直す日なのカモしれませんね!<参考>
『生きのびるために』監修  今泉忠明/梅澤実(学研 動物の子育て図鑑5)
『鳥ビア』永井真人(アスペクト)


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