著名な染織家・志村ふくみさんの工房では、月の暦で藍を建て、新月に仕込み、満月に染めるというサイクルで藍染めを行っているとか。毎日毎日かきまぜて育んでいく藍は命そのもの。条件を整え試すうちに、藍と月との関係がとても大切だということがわかったのだそうです。

 また、ドイツの舞踏家ピナ・バウシュの生前最後の作品「フルムーン」は、月光の下の水辺で人々が踊るという設定。みずみずしいまでの躍動感に満ちたダンサーたちの一挙手一動に、命そのもののきらめきと歓喜を感じたことを覚えています。

 潮の満ち干きを起こし、生きとし生けるものすべてに影響を与える満月。スーパームーンを迎える今日という日には、その大いなる力をよりいっそう感じずにはいられません。

●日の入り前後に東方向の空から昇る月。さて、今宵のお天気は?

 実際にスーパームーンを見るなら、ぜひ日の入り前後から、東方面の空を見上げてみてください。今日のお天気はあいにく下り坂の地方も多いようですが、もしかしたら、雲の間から神々しいまでに張り詰めた月の姿がのぞくかもしれません。
たとえ今日見えることが叶わなくても、明日15日の夕刻には天気が回復する確率も高いようです。もしかしたら、一生でいちばん大きく、明るく感じるかもしれない今回のスーパームーン。

 皓々と輝きを放つ冬場の満月は、天の中心を占めるかのように輝く「月天心」とも呼ばれます。その冴え冴えとした銀の光の波の中でゆったりと深呼吸すれば、自らの生命力が少しずつ甦ってくるような……どうかそんなかけがえのないひとときを体感できますように。そんなことを願って空を仰ぐ月見の宵がやってきます。