一気に秋から冬の寒さに変化していくこの時期、小さなお子さんがいる親御さんにとって大事な行事を迎えます。それは七五三です。
七五三といえば、満3歳と5歳で男の子、満3歳と7歳で女の子が行う行事で、基本的には11月15日に行います。日本の伝統行事である七五三ですが、時代とともにその内容は少しずつ変化を見せています。
家庭の意向でどこに重きを置くかは変わりますが、最近の七五三は一体どのような傾向にあるのでしょうか?今どきの七五三事情に迫ります。

艶やかな着物がすてきな七五三の子どもたち
艶やかな着物がすてきな七五三の子どもたち

七五三は11月15日でなくてもよい?

七五三は11月15日に行うのが一般的です。
なぜ、11月15日なのか起源をたどると、江戸時代までさかのぼります。
かつて、徳川家には「袴着の儀」という儀式がありました。幼い子どもが初めて袴を着るのを祝うというものです。
この儀式は、子どもの成長を願うとともに、氏神様に子どもの誕生を報告するという意味合いをもっていました。
そんな袴着の儀が11月15日に行われていたことから、七五三の日にちもこの日になったといわれています。
ただ、最近の七五三は必ずしも11月15日でなくてもよいという傾向にあるようです。
七五三の日は祝日ではないため、10月から11月の間で都合がつく日に行うというパターンが増えています。
さらにいえば、撮影は前倒しで行い、お参りは別の日に行くなど、お子さんの負担を考えて分けることも多いようです。
子どもが普段、着慣れない服を着させて外に連れ出すのは、親御さんにとってかなり大変なこと。今では共働きの家庭が増えていますから、少しでもゆとりのあるときに七五三をやろうということなのでしょう。

思い出を記録に残す七五三

七五三というと、神社にお参りに行って子どもの成長をお祝いする……という儀式ですが、最近では「お参り」よりも「撮影」に重きを置く親御さんが増えたとのこと。
七五三に関するアンケートで、「記念撮影をした」が92%という回答に対し、「神社に参拝した」は82%という結果に(価格.com調べ)。
そんな七五三のニーズに応えて、撮影スタジオでは、さまざまなプランを用意しているところもあるのだとか。
例えば、何種類かの衣装に着替えて撮影した上で1枚のアルバムにするサービスや、プロのカメラマンがお参りに同行するプランなど……。
今どきの七五三では、撮影に対するこだわりが昔に比べて増しているようです。
大事な行事で子どもの姿をきれいに記録に残したいという親御さんの心境がうかがえますね。

ヘアメイクまでしてくれるプランも
ヘアメイクまでしてくれるプランも

バリエーション豊富な豪華衣装

きれいな姿のお子さんを記録に残そうと親御さんは必死ですが、撮影へのこだわりはもちろん衣装にも影響しています。
今までは神社へのお参りのため、着物や袴を着るのが一般的でした。ですが、スタジオでの撮影ではいろいろな種類の衣装が用意されています。
十二単からドレス、さらにはキャラクターものまでそのバリエーションは多岐に渡ります。
和装は着慣れていないため、最近では神社へのお参りのときでもドレスを着させるというパターンも増えているようです。
なるべくお子さんを飽きさせないように、ぐずらせないように、衣装選びにもそんな配慮があるようです。
── 子どもの成長を神様に祈願する神事としての七五三よりも、子どもの輝く姿を記録する七五三へと変化している現代。新たな七五三サービスがこれからも生まれそうですね。

最近ではドレスと着物をミックスさせた衣装も……
最近ではドレスと着物をミックスさせた衣装も……