秋は映画の季節…今年も話題作が次々と公開中ですが、「応援上映」という言葉、よく耳にします。
映画観賞といえば、スマホ、声を出して喋る、飲食をする…など物音を立てることはご法度。でも「応援上映」では、声出しOK。好きなキャラクターの台詞を一緒に唱和したり、愉快な場面では周りを気にせず大声で笑ったり…新しい映画観賞スタイルです。でも実は元祖応援上映が過去にもあったのはご存知ですか? 「応援上映」今昔からルールまで、色々調べてみました。寒くなるこの季節。ホットに映画観賞してみませんか。

「ロッキーホラーショー」

今年の大ヒット映画「シンゴジラ」「君の名は。」などでも話題になった「応援上映」。その名の通りスポーツ観戦などで声を出して応援するスタイルの映画観賞版です。諸説ありますが、応援上映(声を出して観賞OK)のはしりと言って筆者が思い出すのはコメディミュージカル・伝説のカルト映画「ロッキーホラーショー」(1975年公開のイギリス映画)です。公開時はそれほどヒットはしませんでした。しかし後に「応援上映」(当時はこの呼び名はありませんでしたが)で徐々に注目されカルト的人気を博し、未だに世界のどこかでロードショー上映されているほど。DVDでいつでも観賞できるのに何故毎回ファンが集まるのか? それは「ロッキーホラーショー」がまさに観客参加型の「応援上映」だから。ファン達は思い思いに好きな映画の登場人物のコスプレに身を包み、上映が始まれば、登場人物と一緒に歌を歌い、台詞を叫び、笑ったり、ツッコミを入れたり…楽しい時間を過ごすのです。

声出しなんでもOK?いえいえでもマナーもあります

本来の観賞方法、物音を立てずに静かに観る。と比べれば、基本的になんでもありのような「応援上映」。現在は、若い世代に人気のある、キャラクター設定がはっきりしているアニメ映画や青春映画などが多いようです。ズバリ観客同士、楽しく盛り上がれる映画が応援上映にはぴったりですね。元々その映画が大好きなファンが集まっているので一体感のある雰囲気に館内は包まれるはず。
好きなキャラクターを励ましたり、時には登場人物が泣けば一緒に涙したり、観客も映画の中の物語に入り込んでしまうような観賞の仕方がやはり楽しそうです。楽しく盛り上がる、のが応援上映の醍醐味。そこには、やはりヤジや舌打ち、周囲の音をかき消すような絶叫は似合いませんね。映画の内容に合ったマナーが求められるようです。

これからの「応援上映」

まだ「応援上映」未体験の筆者。なんだか興味が湧いてきました。これから公開される作品もどんどん応援上映の回が増えていくかもしれませんね、ぜひ新作チェックしていきたいです。
新作ももちろん楽しみですが、筆者のような長年の映画ファンとしては、過去の作品も応援上映で観たいものです。恋愛映画ですれ違う主人公達に「あー、そっちに行っちゃダメ!」とか、サスペンス映画で犯人と知らずに悪人と接している正義の主人公に「そいつが犯人よ!」などなど。今までは家でしかできなかった声出し。大きなスクリーンに向かって声を出すのはなんだかそれだけで楽しそうで新鮮です。他の観客たちの「ツッコミ」「応援」を聞けるのも興味深いですね。自分とは全く違う感想をつぶやく人もいるかもしれません。今までは映画を観終わった後におしゃべりやパンフレットを読んで得ていた「共感」を映画を観ながら味わえるのですね。
中々、上映中に声を出して笑ったり「ブラボー」などと言えない、控えめな観客だった私たち日本人。「応援上映」をキッカケに観賞の仕方も変わっていくかもしれませんね。