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小説の神様の世界に触れる、志賀直哉氏の命日

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10月21日は小説の神様とも呼ばれた白樺派の代表的小説家「志賀直哉」氏の命日。今年の秋は長雨の日が多いと予測されていますので、しっとりした雨の時間にスッキリと無駄のない文章で評される志賀直哉氏の小説はいかがですか?志賀直哉ワールドを未経験の方は代表作から、改めて手に取る方もまた、彼の描写する世界の正確で鮮明な言葉に感動を覚えることでしょう。直哉忌にちなんで志賀直哉氏について簡単にご紹介いたします。

自由主義の人間的な白樺派の小説家!?

文学について得意でない方も、白樺派という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。白樺派とは、学習院大学の同窓生や知人によって創られ同世代の作家が寄稿した同人雑誌「白樺」から派生した文学思潮のひとつです。自由主義を背景とする人間的で個人主義、理想主義的な作風の小説家が輩出されました。中でも志賀直哉氏は白樺派を代表する小説家と言われています。また、白樺派の思想的代名詞と呼ばれる武者小路実篤とは異なり、戦後発表した随想の中で、戦争には反対であったと分かる表現があり、文学界におけるその意思表示は柔らかなものでした。奇しくも、今日は国際反戦デー。ひと昔前ほど一般思想に対する文学界の影響は強くありませんが、志賀直哉氏らの最盛期にはその強さが見て取れます。

代表作「暗夜行路」「城の崎にて」は初心者でも読みやすい!?

完結までに17年を要した志賀直哉氏唯一の長編、暗夜行路。主人公を取り巻く人間関係での裏切りや挫折から大山にこもり、大自然に身を置くことで心が清められ、全てを許す心境を得ることにより暗夜行路を終えるというあらすじです。主人公が大山の大自然に立った時の描写は、直哉氏が数十年前に訪れた時の記憶に頼って書かれているものながら、文芸評論を確立したとされる小林秀雄氏によって、視覚的正確さを評価されています。また、心境小説の代表作と言われる短編小説・随筆、城の崎にて。線路脇を歩き、電車にはねられ重傷を負うという自身の経験を元に描かれました。小説内でも同じく重傷を負って養生に訪れた城の崎で、生き物の死を目の当たりにした主人公の心理描写を繊細に描いています。大自然の細部に渡る正確さ、心理描写のその細やかさも、小説の最高峰と評される直哉氏の表現によって初心者の方でも心地良く読めるのではないでしょうか。


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