日本の海水浴シーズンは終わりを迎えつつありますが、磯遊びや釣りなど、海へのお出かけはまだまだ多い時期。
遅めの夏休みをとって、ビーチリゾートにお出かけの方もいらっしゃるかもしれませんね。
夏から秋にかけては、積乱雲の発達による雷の発生、それに台風による高波などの危険も多い季節です。
家族と、お友達と、安心してマリンレジャーを楽しむためのヒントをまとめました!

海での「落雷」「高波」から、どう自分の身を守る?
海での「落雷」「高波」から、どう自分の身を守る?

雷注意報が出ている時は、絶対に「海に入らない」!

皆さんご存じのとおり、雷には「周囲よりも高く突き出た場所に落ちる」性質があります。
海の上で、サーフィンやシーカヤックなどを楽しんでいる時に、もし雷が発生したら?
広いフェアウエー上で、ゴルフをプレー中に、もし雷が発生したら?
広い校庭でサッカー野球をしている時に、もし雷が発生したら?
いずれも落雷被害に遭う場合があり、過去にも大怪我や最悪の事態に陥ったケースが報告されています。
発達した「雷雲」は、数百メートルから数キロの大きさがあり、その範囲内ではどこでも落雷する可能性があります。
つまり、「まだ遠いな」と思っていても、次にはすぐ近くで落雷……ということもあるので、雷鳴が轟いたら近くの建物の中に避難することが鉄則です!
マリンレジャーをはじめ、地上でスポーツを楽しむ際には、必ず天気予報や空模様をチェックし、身を守ることが大切になってきますが、もし雷注意報が出ている場合は「絶対に」海には入らないようにしましょう。

すでに海上に出てしまっている時に、雷の兆候を察知したら?

十分に注意を払っていたのに、海上にいる時に雷に遭遇してしまったら……
「可能な限り迅速に」避難を開始し、安全な場所(建物の中や車の中)をめざしましょう。
といっても、海から岸に戻り、さらに安全な場所に避難するのには、どうしても時間がかかるもの。
「まだ大丈夫だろう」などと甘く見ることなく、すぐに行動することが大切です。
できるだけ「姿勢を低くして」行動することも忘れずに!

安全な場所に避難するまでの「所要時間」を意識しよう
安全な場所に避難するまでの「所要時間」を意識しよう

防波堤で釣りなどを楽しむなら、ライフジャケットは必須!

港の出入り口などにある、おなじみの防波堤。
海を眺めながら散策したり、海釣りなどを楽しむ人も多いですよね。
でも実は、防波堤はとても危険な場所。
長く突き出した形状をしている防波堤の周囲では、沖合の波や、近くの船舶が起こす波の影響などが複雑に絡み合っています。
そのため、100~1000回に数回の割合で、いわゆる「高波」が起きるのです。
このように、通常でも「高波」の危険がある防波堤。
さらに「大潮」「満潮時」「強風が吹いている」などの状況が重なれば、想像を超えた高波が起こり、さらわれる確率が高まります。
防波堤で釣りなどを行う場合は、「天気予報」それに「潮汐情報」を入念にチェック。
そして、ライフジャケットを必ず着用するようにしましょう。

もしも防波堤から海に落ちたら? 転落した人を見かけたら?

防波堤の怖さは、転落した際に「取りつく(つかまる)場所がない」こと。
さらに、波によって「岸壁に叩きつけられる」「消波ブロックの間に挟まる」などのリスクも高いそうです。
万が一、防波堤から転落してしまったら、まずは沖のほうに体を逃がすようにします
(「叩きつけられる」「挟まる」リスクを回避するため)
「服や靴をあわてて脱ごうとしない」のも大切。
服や靴には、空気が含まれていたり、それ自体に浮力があることが多く、水中で体温を保持するのにも役立ちます。
あおむけに浮く「背浮き」をして、体力を温存しながら救助を待ちましょう。
また、海に転落した人を見かけた場合は、次の行動をとりましょう。
・大声で周囲に呼びかけ、できるだけ人を集める
・119番、ライフガードなどに救助要請をする
・浮力になるもの(浮き輪やペットボトルなど)を転落した人に投げてあげる
いきなり海に飛び込んで救助に向かうのは、「二重遭難」のおそれが高く、とても危険です。
泳いで救助に向かう必要がある場合は、「ライフジャケット」「浮き輪」など、万全の準備を!
「いつも行く、よく知っている場所だから大丈夫」と思っていても、事故は思わぬ時に、思わぬカタチで起きるもの。
緊急時の対応法が頭の片隅にあれば、多少なりとも冷静になって、次の行動をとれるはずです。
備えを万全に、海のレジャーを楽しんでくださいね。
参考:羽根田治「野外危機回避マニュアル」(地球丸)

防波堤の周囲では「高波」のリスクが高まる
防波堤の周囲では「高波」のリスクが高まる