東京湾大華火祭(通称・東京湾花火大会)と言えば、東京の夜空を飾る夏の風物詩。
東京湾から打ち上げられ、レインボーブリッジなどウォーターフロントの華やかな夜景と大迫力の花火のコントラストは見どころ満点で、毎年8月第2土曜日の大会を楽しみにしているファンも多かったと思います。
その東京湾大華火祭2016が「休止」と発表されたのが、今年1月。今後、再開の目途は立っていません。
一体なぜ、休止になってしまったのか、その理由を紹介しましょう。

この幻想的な風景が見られないのは残念
この幻想的な風景が見られないのは残念

煌びやかな夜景と花火が織りなす東京の風物詩

1988年から始まった東京湾大華火祭(とうきょうわんだいはなびさい)。
打ち上げ総数1万2000発で、尺5寸玉や芸術玉などを含め100発もの尺玉が夜空を彩る、東京を代表する花火大会でした。
打ち上げ場所となっていたのは、東京湾の晴海埠頭沖合。
レインボーブリッジや台場、東京タワーなど、見る場所により名所と花火の競演が楽しめるのも、この花火大会の大きな特徴でした。
TV中継されていたこともあり、夏の風物詩のひとつとして、多くの人の心に定着していたのではないでしょうか。

10万人収容のメイン会場が五輪選手村に

東京湾大華火祭は、2015年をもって当面休止となりますが、その理由は、4年後に東京オリンピック・パラリンピックが開催されるにあたり、晴海にあるメイン会場に、選手村が建設されるからです。
花火大会の観覧人数は、毎年70万人前後。
実行委員会とともに主催する中央区は、晴海にメイン会場等を用意し、無料で観覧用の場所を提供。
オリンピックの選手村となるこのメイン会場では、約10万人を収容していました。
実際にご覧になった方はご存じかと思いますが、大会当日、会場の晴海周辺は人・人・人で大混雑。
メイン会場に変わる大きな収容スペースがなければ、花火大会の運営は厳しいといえるでしょう。
中央区は「安全・適切かつ十分な広さの観覧場所を区内に確保できないこととなったため、中央区が主体となって華火祭を開催することは困難と判断し、休止を決定した」と発表しています。

選手村はその後新しい街に。中央区は都や周辺区に存続を打診

選手村の建設は、今年4月から基盤整備工事に着手、来年1月には建設工事が始まる予定です。
では、大会後の選手村はどうなるのか。
大会終了後に改修工事がなされ、2024年、超高層タワー2棟を含む住宅棟と商業棟のある、総戸数6000戸の新しい街として生まれ変わる予定になっています。
東京湾大華火大会の行方は未定となっていますが、人気の花火大会が消えてしまうのは悲しいこと。
中央区は東京都や周辺区にも、新たな観覧場所や打ち上げ場所の調整などを含め、再開への道筋を打診していくということです。
70万人規模の人が行き交うため、その場所の確保等の問題もありますが、ぜひ存続されるように、祈りたいですね。