気が付けば7月も下旬となりました。この時期、夜空に夏の大三角が広がり、星々が集いきらめきを競い合っているようです。そんな中「みずがめ座流星群」が出現を活発にする極大日を迎えます。
天文的には、従来みずがめ座流星群は北群と南群に分かれていましたが、現在は出現の活発な南群を「みずがめ座δ(デルタ)流星群」と呼びます。観測の目安は南の空・放射点が高くなる深夜からがおすすめです。
夏の夜、南の空に目を向けてみませんか?

夏の夜空と流れ星
夏の夜空と流れ星

今年の極大日は月が下弦を過ぎてから~チャンスは前後1週間!

みずがめ座流星群は、毎年7月半ばから8月中旬までの間流れ星を放つ流星群です。極大日はその年により少しずつ変わり、今年の極大日は30日と予測されています。(国立天文台㏋より)
今夜27日に月が下弦となり新月へと向かいますから、月明かりも徐々に少なくなります。極大日の前後約1週間は見つけやすい流星ですので、8月の第一週までチャンスがあります。
観測できる数は、1時間に数個ほどと少なめですが、ひと晩中流れ続けていますので、気ままに夜空を見上げて、出会えたらラッキー!と思える流れ星です。

ところで、放射点はどこにあるの?

みずがめ座は強い星が少ないため、その存在を探すことが難しい星座の一つです。まず、夏の大三角の一つである、アルタイルを探し、その下に目を向けるとみずがめ座があります。やぎ座とみなみのうお座が近くにあり、仲良く並んでいます。
放射点は星座の中ほどにあたり、今の時期ですと真南ではなく、やや南西になります。流星群は放射点から放たれますが、四方八方を翔けめぐりますので、どの方角からも見つけることができるので、南側から見ることができなくてもご安心くださいね。

みずがめ座の手にある瓶の中身は…

Aquarius(アクエリアス)の名を持つみずがめ座ですが、ギリシャ神話によると『ゼウスがお酒の酌をさせるためにさらってきた美少年・ガニメデスですが、彼の持つ瓶には不老不死のお酒が入っている』…その瓶から流れこぼれた先には、みなみのうお座の口(フォーマルハウト)があります。ゼウスは、美少年だからさらったのか、不老不死の酒を水瓶に持っていたからさらったのか、それともその両方??
明かりの弱いみずがめ座にも物語を作った古き時代に思いを馳せつつ、ゼウスの心境になって夜空を眺めてみる…のも面白いのではないでしょうか。

出典
・国立天文台㏋