旬のお野菜を美味しくひきたててくれるおだし。前回は和風だしをご案内いたしました。
家庭でとるだしの美味しさは一味違いますね。
もともとは洋風のだし全般をブイヨンといい、肉や魚、野菜、香辛料などを煮込んでとります。
市販のキューブも便利ですが、洋風だし(ブイヨン)にも挑戦してみましょう!
冷蔵庫で保存し2〜3日で使い切らないときは、製氷皿などで小分けにして冷凍しておくと便利です。
赤ちゃんや年配の方、塩分を気にされる方向けのスープやリゾット、煮込みのお料理などに。
塩分を調整していただきたい際に重宝します。

ブイヨンとコンソメは同じもの?!「ブイヨン」「コンソメ」「鶏ガラスープ」の違い

ブイヨン(bouillon)は、フランス語で「だし汁」を意味します。
肉や骨、魚類、野菜、香辛料などを長時間煮込んで作る煮出し汁で、スープやソースの素にするもの。
英語でいえば、「スープストック」のことです。
一方、コンソメは(consommé)は、ブイヨンを素に肉や野菜、調味料などを加え、アクを取り、漉したスープのことで、澄んだ琥珀色をしています。もともとコンソメは、フランス語で「完成された」や「完全」の意味があったように、そのままスープとして飲めるものです。
ブイヨンは、肉と野菜を数時間煮出した汁のことで、スープや煮込み料理などを作る際のベースとして使う、いわば西洋料理で用いる「だし」のことで、そのまま飲むものではありません。
コンソメは、ブイヨンに肉、野菜、調味料などを加えて、数時間アクを取りながら、丁寧に煮出してそのままスープとして飲むように作ったものです。
ただし、ブイヨンとコンソメは、固形や顆粒のものがスープの素として市販されており、メーカーによって異なるため、必ずとは言えませんが、市販のブイヨンとコンソメは、どちらも塩分が加えられており、湯に溶かせばコンソメスープとして飲めるものが多く、基本的に違いはないようです。
強いて違いを挙げるとすれば、ブイヨンの方がシンプルな味で、湯に溶かすと素材のエキスで多少の濁りがあり、コンソメはブイヨンに比べ、香りが強く、うま味のある深い味で、湯に溶かすと澄んだ透明になることでしょうか?
鶏ガラスープはその名の通り、鶏ガラが使われます(鶏ガラは、肉を取り去った鶏の骨や髄で、肉はわずかに残る程度ついている)。ブイヨン(コンソメ)には牛や鶏の肉や骨を使います。
鶏ガラスープに使う野菜はネギやショウガなどで、ニンジンや玉ねぎ、セロリ、パセリなどを使うブイヨン(コンソメ)とは異なります。また、鶏ガラスープは西洋料理よりも中華料理に使用することが多いため、市販の鶏ガラスープの素には、ニンニクや醤油が入ったものも多いのです。

洋風だし(ブイヨン)の取り方 その1(チキンブイヨン)

風邪を召したときや滋養をつけたいときにはチキンスープがよいといいますね。味付けをしてコンソメとして。ビシソワーズやパンプキンスープ、ロールキャベツなどの幅広い煮込み料理に。アレンジすれば中華スープにも使えます。
◆チキンブイヨン
【材料】
鶏ガラ  2羽分
水    カップ12
玉ねぎ  1個
にんじん 1本
セロリ  1本
にんにく 1かけ
ローリエ 1枚
(あれば)
クローブ 1本
パセリ  5~6本
タイム  1つまみ
【作り方】
・ 玉ねぎは皮をむいて芽や根をきりすて、縦半分にわる
・ にんじん・セロリは皮をむき5cm長さにカットする
・ 深いなべに内臓や脂をとってきれいにあらった鶏ガラをいれ水を入れる
・ にごらせないためふたをせず、強火にかけ、ぐらぐら煮立ったら弱火にして、ぶつぶつと静かにわかす
・ ていねいにあくをすくう
・ 鶏ガラのあくがとれたら、残りの材料をいれ弱めの中火で1時間半くらい煮詰める
・ 野菜のあくも時々ていねいにすくう
・ 時間がきたら、大きなみをとしだして、スープこしでこす(キッチンペーパーや布で漉すと綺麗なスープになります)
<参考>
・料理の学校Ⅱ西洋料理編 主婦の友社

洋風だし(ブイヨン)の取り方 その2(ビーフブイヨン)

カレー・ビーフストロガノフ、ボルシチ、ユッケジャンクッパ、牛肉味のフォーのスープなどに。
◆ビーフブイヨン
【材料】
牛すね肉 600g
水    カップ15
玉ねぎ  1個
にんじん 1本
セロリ  1本
にんにく 1かけ
ローリエ 1枚
(あれば)
クローブ 1本
パセリ  5~6本
塩    小さじ1
【作り方】
・ 鍋に角切りまたはひき肉にした牛すね肉と水を入れて30分ほどおき、火にかける。
・ 沸騰したら火を弱め、アクを取る。
・ 1時間ほど煮込んだら、大きめに切った野菜、ローリエ、パセリの軸、塩を加える
・表面が静かに煮立つ程度の火加減でさらに1時間煮る。
※ぐらぐら煮立てるとブイヨンが濁ってしまうので注意する。
・ 煮詰めただしは大きなみをとしだして、スープこしでこす(キッチンペーパーや布で漉すと綺麗なスープになります)

スープだけじゃない!? 使い方いろいろ、丈夫で便利な「スープセロリ」を育ててみませんか?

葉の外見がイタリアンパセリに似ており、ベランダやお庭でも爽やかさを演出してくれます。
「スープセロリ」はセロリの原種とされており、セロリほど大きくなりません。
セロリはこれが葉柄を太く改良したものです。軟らかい葉や茎はスープに利用されるほかにも、サラダ、肉料理の臭み消し、刻んで薬味や炒め物にと大変重宝します。
なんともいっても和洋中、何にでも合わせやすく、とても人気なハーブです!
かなり丈夫な上に、刈り取ると次々と新芽がでてきてお手軽なこともおススメのポイントです。
ニ年草です。乾燥にやや弱く、湿気の多い場所を好みます。日当たりの良い所がベストですが、半日陰~かなり日陰でも充分育ちます。耐寒性もあります。
気になる栄養は?
・ 葉や茎にビタミン類が豊富に含まれています。
・血圧・血糖値を下げる効果
・抗菌作用や沈静作用
・食欲増進、発汗、解熱
風邪の初期症状やのどにはとてもよいですよ!
一家に一苗いかがでしょうか?
ご自宅で必要なときにささっと無農薬で新鮮で柔らかなセロリが使えるのはとても便利です。

種からでも苗からでも。使えば次々と新芽がでてきます
種からでも苗からでも。使えば次々と新芽がでてきます