「梅雨だる」という言葉を最近よく耳にしますが、高い湿度のせいで体調不良を感じている人が多いこの時季。
そうした不調に悩まされている人は、空いた時間にセルフコントロールできるツボを刺激してみましょう。
一般に「ツボ」と呼ばれる経穴や経絡は、中医学、漢方医学、経絡学の概念とされています。
指圧、鍼、灸でツボに刺激を与えると、不調と呼ばれる諸症状の緩和が見込まれるといわれていますが、「気と血」のエネルギーの通り道である経絡上にツボ=経穴はあり、切っても切り離せない関係にあるのです。

自宅でのリラックスタイムに、足を揉みほぐしてみましょう
自宅でのリラックスタイムに、足を揉みほぐしてみましょう

ツボ押しの際に用意するものと注意点

東洋医学では、経絡(けいらく)上にある「気」が、体内に出入りするための口を「経穴=ツボ」としており、経絡は各臓器と関連していて、経絡に異常があれば関連する臓器にも異常が発生していると考えられます。
例えば、第二の心臓と呼ばれる足裏のツボを表した体の地図帳(画像参照)を見たことのある人も多いと思いますが、足裏には約60~70の反射区(ツボ)があり、体が異変を起こすと足裏に対応する反射区がかたくなったり、カサカサしたり、皮膚の色が変色したり……といった状態になり、足裏の状態で健康状態をチェックすることができるのです。
では、症状別に足裏のどの部分を刺激すればよいのでしょうか。
□用意するもの
まず、100円ショップでも入手可能なツボ押し棒(手が疲れたら使いましょう。代替品としてマジックやペンのキャップ部分も使えます)と、中華料理の「れんげ」を用意してください。また、水分補給のための水やお茶なども用意しておきましょう。
□注意点
※ 飛び上がるような痛みを感じた場合は病気の可能性があります。医師の診断を仰ぎましょう
※ ツボ押しは、毎日時間を決めて行いましょう(ただし、食後のツボ押しは控える)
※ 高熱の時、空腹、満腹、疲労困ぱい時は避ける
※ 足にケガをおっている人、腎臓病、妊娠中、不整脈のある人、心臓・脳・腫瘍等の持病を持つ方も避けたほうがよいでしょう

足裏には全身の反射区が集まっていて、60~70ものツボ(反射区)が!
足裏には全身の反射区が集まっていて、60~70ものツボ(反射区)が!

全身がダルくて、疲れが長引いている人のツボは?

□ツボ押し前の確認
01/足裏が紫色か黄色いくないか……。02/足裏が乾燥、角質が厚くないか……。
足裏が上記のような状態で、ダルさがとれにくい人は、湧泉(ゆうせん)のツボ(画像参照)を10秒ほど深く押しましょう。押した跡が数秒へこんだままであったり、痛いと感じる場合は、次の手順でツボを刺激していきます。
■だるさが取れない人のツボ押し法
手順01/お風呂の温度より少し高めの湯に、岩塩大さじ1杯を入れてかき混ぜる
手順02/湯の中に両足をつけ、親指を“いた気持ちいい”程度にもみほぐす
手順03/足が十分に温まったら湯から足を出し、指やツボ押し棒で湧泉を刺激
手順04/さらに、中華料理の「れんげ」の底裏を足裏にあて、つま先からかかとに向かって、老廃物を押し流すイメージで撫でていく
手順05/れんげの先端を足裏の指のつけ根から土踏まずに向かって、老廃物をかきだすようにやや強めにマッサージ
手順06/最後に、ボディオイルを使って足全体をマッサージしましょう

湧泉(ゆうせん)を中心に、足裏全体をマッサージ!
湧泉(ゆうせん)を中心に、足裏全体をマッサージ!

偏頭痛、緊張性頭痛に悩まされている人のツボは?

□ツボ押し前の確認
01/足の親指がかたくないか……。02/親指の先にギザギザのシワがないか……。
シワがある人は偏頭痛、シワがない人は肩こりなどを原因とする緊張性頭痛かもしれません
■偏頭痛の人のケア法
手順01/少し痛みを感じるくらいの力で親指全体をほぐしていきます。頭痛が悪化することもあるので、ほぐし過ぎはNGです
手順02/親指の指紋部分の中央を、ツボ押し棒やペン先で10〜15秒押して刺激を与える
手順03/手の親指と人差し指の間の指腹中央に、グッと強くツボ押し棒を押し当てる
手順04/最後に、足裏全体をマッサージ
■緊張性頭痛の人のツボ押し法
手順01/肩こりのケア+長めの足裏マッサージで、足裏が柔らかくなるまで徹底的にほぐす
手順02/足の親指全体を細かくほぐす
手順03〜05は、上記と同じ手順でケアを

親指を中心に、足裏全体をマッサージ!
親指を中心に、足裏全体をマッサージ!

足だけでなく、体のむくみが気になる人のツボは?

□ツボ押し前の確認
01/くるぶし下が痛くないか……。02/腎臓の反射区がへこんでいないか……。
また、膀胱の反射区がやや膨らんだ状態であれば、押してみて痛くないか確認しましょう。
■むくみが気になる人のツボ押し法
手順01/ひざを曲げる、まわす……の順序で、まず屈伸運動を
手順02/お風呂の温度より少し高めの湯温に岩塩大さじ1杯を入れる
手順03/湯の中に足を入れて足を十分に温める
手順04/湯から足を出し、足裏全体+ふくらはぎをマッサージ
手順05/とくに、くるぶしの出っ張った骨のすぐ下の部分と、爪があるほう(足裏と反対側)の指つけ根に近い指骨のすきまを柔らかくもみほぐす
手順05/仕上げに、1本線を描くように腎臓の反射区から、膀胱の反射区へと(画像参照)刺激を与えていきます
(腎臓から尿管を経由して、膀胱から老廃物を押し出すイメージ)
手順05/最後に、足裏全体をマッサージしましょう
── 今回は「体のダルさ」「頭痛」「むくみ」についてご紹介しましたが、入浴時や、自宅で椅子に腰掛けた状態で足裏を刺激してみて、痛い部分やかたい部分があれば、“いた気持ちいい”程度に刺激してあげましょう。
ちなみに、足裏の反射区の目と耳は、左右逆であることをご存じですか。つまり、右の目に疲労感を感じている人は、左足の反射区を刺激するということになります。
そして、足裏を刺激した後は、水分を補給してゆったり過ごすようにしてくださいね。

腎臓の反射区から膀胱の反射区へ刺激を与えましょう!
腎臓の反射区から膀胱の反射区へ刺激を与えましょう!