七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」。6月16日「嘉祥(かじょう)の日」は和菓子の日! 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」。6月16日「嘉祥(かじょう)の日」は和菓子の日!

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梅雨入りとともに、青かった梅が次第に熟し黄色くなってきます。七十二候でも「梅子黄(うめのみきばむ)」となり、昼間でも薄暗い日々が多いなか、黄色い梅の実が梅雨明かりのように曇り空の下でほんのり輝きます。また、本日6月16日は「嘉祥(かじょう)の日」といわれる「和菓子の日」でもあります。福を招くお菓子を食べて、うっとうしい季節を、心晴れやかに乗りきりましょうか。

青かった梅が、梅雨の雨にうたれ黄色く完熟してゆきます

今年も梅雨となりました。この「梅雨」という名は、梅の実が熟する時期の雨だからともいわれています。
七十二候でも、本日6月16日~21日頃までが、「梅子黄(うめのみきばむ)」。若く青々とした梅の果実が、しとしとと降る雨をあびて次第に熟し、黄味がかってゆきます。
梅の実の収穫期間は、青いものから黄色く熟すまでの約1ヶ月。
フレッシュな青く固い梅は「青梅」と呼ばれ、梅干しをはじめ梅シロップやハチミツ漬け、梅酒や梅サワーつくりなどに、この青梅を用いる方も多いことでしょう。
このところ、次第に黄味くなってきた梅が青果店の店頭でも並んでいますが、実は、梅干しづくりには熟した梅が最適なのだとか。
完熟した後に枝からぽとりと落ちた実であれば、ホシ(軸)がついてないので、面倒なホシ取りの作業が要らず、アク抜きの必要もなし。比較的簡単に塩漬けにできるとのことです。とろりと甘くなった実を梅干しにすれば、よりおいしくなるような気もしますね。

よく熟した黄色い梅で梅ジャムづくり。梅ふきんも一緒につくってみませんか?

その年に収穫した梅の実を使って、梅干しや梅酒をつくることを、「梅仕事」といいますね。この時期よく耳にする言葉ですが、これは、料理研究家の辰巳芳子さんのお母様で(やはり料理研究家であった)辰巳浜子さんが、ある年、梅摘みをしていた折りふと、こぼれた言葉なのだとか。
そんなエピソードが記された、「庭の時間(辰巳芳子著)」には、梅仕事にどんなものがあるかを解説してくれています。
~それは二月の寒肥えに始まります。青梅の最初は梅肉エキス。次が梅シロップと梅酒。梅雨の雨を二、三回あびたもので梅干し。熟れた梅で梅ジャム。落ちて割れた梅で、一年分の梅ふきん(つやふきん)。梅に平行して赤紫蘇の畠の世話、紫蘇の成長につれての紫蘇摘み~
と、こんなにも多くの仕事を経ることで、多くの恩恵を暮らしにもたらしてくれる梅。これからでも、完熟を迎えた梅で梅ジャムづくりの「梅仕事」に挑戦してみてはいかがでしょう。
~水から静かに茹で、茹で汁が人肌に冷めてから水を替えます。最初の茹で汁はとって置きます。半日がかりのつもりで数回水を取り替えれば梅の苦味、酸味がほどよく抜けるはずです。水を切って、裏ごしにしましょう。梅と同量くらいのザラメを加え、ザラメのとろけるのを待ってゆっくり煮つめます。おろしぎわにひとつまみの塩を加えます~
これは、辰巳浜子さんの著書「料理歳時記」から引用したレシピですが、爽やかな梅の酸味と甘みが、絶妙なハーモニーを奏でるジャムをでつくってみるのもこの時期の楽しみです。
また、このときとっておいた最初の茹で汁や、落ちて割れた梅を煮出した汁で(水に浸して絞った)布を煮しめて干したものが「梅ふきん(つやふきん)」。
~手拭、タオルの使いふるし、絹、麻、ガーゼ等梅ふきんとして、絹は塗物、木地物のつやふきん、麻はガラス製品、手拭、タオルは家具用にと使い分けてあなたの家具の艶出しや道具の手入れに役立ててください。~
と、同じく「料理歳時記」に記されています。一年分の使い古しの布をこの時期に梅ふきんにしておくのもまさに暮らしの知恵。気軽にさっと拭けるようにしておけば、いつでも家中の家具も食器がぴかぴかにというのも素敵ですね。

6月16日は「和菓子の日」。厄除けや健やかな暮らしを願って、甘いお菓子を召し上がれ

また、本日6月16日は「和菓子の日」。
厄除けと健やかな暮らしを願う「嘉祥(かじょう)の日」でもあります。
発祥は、西暦848年(承和15年・嘉祥元年)の夏のこと。仁明天皇が御神託に基づいて、6月16日に16の数にちなんだお菓子や餅などを神前に供え、疫病を除け健康招福を願い、「嘉祥」と改元したという古例にちなむのだとか。民間においても16文で菓子や餅16個を求め食べるしきたりがあったり、この夜に振り袖を詰め袖にする16歳の「袖止め」をする「嘉祥縫」という風習があったそうです。ほかにも、6月16日に採った梅の実でつくった梅干しを食べると災難をのがれるという言い伝えもあり、これを「嘉祥の梅」といったそうです。このようなしきたりは、疫を逃れ、健康招福を願うめでたい行事として歴史の中で受け継がれたもの。そんな「嘉祥の日」を現代に復活させたのが「和菓子の日」なのです。
甘いものは古来、福を招くもの。各和菓子店では、この時期だけのお菓子も販売されています。湿邪で体調も崩しがちなうっとうしい梅雨のころ、おいしい和菓子を食すことで健やかな暮らしを願ってみませんか。※参考&引用
庭の時間(辰巳芳子著/文化出版局)
料理歳時記(辰巳浜子著/中公文庫)
全国和菓子協会HP


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