今日6月10日は雑節・入梅です。立春から135日め、天文的には太陽黄経80度の日とされています。平年は6月11日になることが多いのですが、今年はうるう年のため10日になりました。
気象的な梅雨入りは地域により時期がまちまちですが、暦の上の「入梅」は日本全国一斉に訪れます。
遠い昔、私たちの祖先が五穀豊穣のために作り出した暦は、幾度もその定義を変えながら今に伝え継がれています。
また、申年の梅は特別だとか…「梅酒の日」でもある入梅の日、今年は「梅」に注目してみましょう。

雨粒滴る青梅
雨粒滴る青梅

申年の梅にまつわる平安時代からの言い伝え

梅の実が熟すころとかけて、梅の雨と書いて「梅雨(ばいう・つゆ)」と書くようになったことを表すように、この時期になると青梅が出回り、梅酒や梅ジュースを作る方も多いのではないでしょうか。
平安時代、時の天皇(村上天皇)が、申年に漬けられた梅干と昆布入りのお茶を飲み、病を治したという逸話により、申年の梅は健康に良い、縁起が良いとされています。
梅は元来、健康に良いと言われていますが、申年の梅の力はさらに強力になっているようです。毎年の恒例にしている方も、そうでない方も…今年は健康のために梅を生活に取り入れたいですね。

6月上旬限定の「青梅」は下ごしらえが肝心です

入梅の時期に手に入るのは、まだ熟していない青梅です。青梅は下ごしらえが大切です。
①梅を洗い、汚れやほこりを取ります。
②2~4時間ほど水につけてあく抜きをします。
③ざるなどに並べて自然乾燥します。
④キッチンペーパーなどで残った水気をふき取ります。
⑤竹串などで、軸を取り外します。
ジャムにシロップにジュース、そして定番の梅酒…どれも丁寧な下ごしらえがあってこその美味しさは、次の世代へとつないでいきたい日本ならではの手仕事ですね。

定番の梅酒、焼酎で漬けるのはとても理にかなっている!

梅の下ごしらえも大切ですが、梅を漬ける容器の準備も大切です。
湿度の高い時期は菌の繁殖が盛んです。清潔は何よりも心がけたいもの…熱湯消毒はもちろん、念には念を入れて、焼酎を含ませた布巾で容器を拭くと良いとか…。
焼酎はアルコール度数が35度と高く、効果抜群ですから、梅酒を漬けるときにリカーや焼酎などの度数の高いアルコールを使うのは、殺菌の面でも理にかなっていたのですね。

尚、青梅の収穫は6月上旬~中旬限定です。中旬以降は、黄色く熟した梅が収穫されます。梅の熟度により加工の向き不向きがありますので、注意してくださいね。

《出典・参考》
・「梅酒の日」
梅酒メーカーのCHOYAにより、2004年から入梅の日を「梅酒の日」と制定して限定品を生産
・「梅仕事」、「梅の熟度」について
梅のある生活サイト(リンク参照)