今年は桜の開花が早かった!野菜や果物の旬カレンダーの目安となる桜前線

桜を擬人化した語「桜坊」が転義し、果実をそのものを指すようになった「さくらんぼ」。
旬は6~7月上旬ですが今年は数週間早めに楽しめそうです。
追熟して楽しむのではなく、もっともおいしいタイミングで収穫し食します。
このため栽培される地域が限られ、栽培方法も容易ではないため高級な果物として知られている「さくらんぼ」です。
寒さや急激な温度変化に弱いデリケートな果物なので、冷蔵庫には入れず、冷暗所に置いておいて、食べる際に氷水などで冷やすのがおすすめです。収穫後味が落ちるため遅くとも2日くらいでいただきましょう。
保存があまりきかない分、市場に出回る期間が限定されるため季節の訪れを告げる果物でもあります。
最近では、ネットの予約販売などを利用する方も増えているようです。
また、ビニールの屋根があるため雨の日でも楽しめる行楽として、人気なのが「さくらんぼ狩り」。
獲れたてを頂くのは最高ですね。

佐藤錦とダークチェリー 可愛くて美しくて宝石のよう 手にしたくなりますね
佐藤錦とダークチェリー 可愛くて美しくて宝石のよう 手にしたくなりますね

「さくらんぼ」と「アメリカンチェリー」 最盛期はいつ?

さくらんぼはバラ科サクラ属のフルーツで、有史以前からヨーロッパ各地で自生していて、栽培も紀元前300年頃にはすでに行われていたようです。
日本では平安時代の書物「本草和名」に「桜桃」(和名 かにはさくらのみ)と記述されていますが、これは中国のサクランボ(シナミザクラ)だと考えられています。また「新刊多識編」(1631年)にも「桜桃」(にわさくら)という記述がありますがこちらも同様に中国の桜桃だと考えられています。
現在のような「さくらんぼ」が日本で栽培されるようになったのは明治時代初期のことです。アメリカやフランスなどの品種が導入され、それらが北海道や山形県などで定着。現在では山形県をはじめ青森県や山梨県などで栽培されています。
さくらんぼの王様といわれるのが佐藤錦ですが、酸味と甘みのバランスが研究され様々な品種がありますので、ぜひ楽しみたいですね。
アメリカンチェリーはアメリカのカリフォルニア州と、オレゴン、ワシントン州の2大産地があり5月から6月にかけてはカリフォルニア州から、ワシントン、オレゴン産は6月中旬から7月にかけて出回ります。
【収穫時期】
5月下旬~6月上旬頃…早生種(日の出、セネカ、シャボレー、紅さやか)
6月中旬~6月下旬頃…中生種(高砂、佐藤錦、山形美人)
7月上旬~7月中旬頃…晩生種(ナポレオン、南陽、紅秀峰)
5月~8月…輸入もの(アメリカンチェリー)
※冬場に出回っているのはニュージーランド産です。
【さくらんぼの洗い方】
国産のものは、さくらんぼの実に直接農薬をかけることがないので、ボウルに水を張り、ざるに入れたさくらんぼをざるごとゆらし洗いするだけでOKです。あまり水につけすぎると旨みが失われてしまうので、注意!
アメリカンチェリーは残留農薬が心配なので、表面を水でやさしく洗いましょう。
さくらんぼもアメリカンチェリーもこの時期が最盛期。食感や味わいも異なりますので、それぞれ試してみたいですね!
出回り始めの5月の初夏の頃には、一粒数千円という値がついてニュースでとりあげられたりもします。底値とされるのは、例えば佐藤錦であれば例年の6月中旬~6月下旬にかけてと言われていますが今年はそろそろではないでしょうか?時期を逃さないように要チェック!

「さくらんぼ」には虫歯予防や睡眠促進の成分が!

さくらんぼやアメリカンチェリーに多く含まれるソルビトールはさわやかですっきりとした甘さの甘味成分。ほかの糖質と異なり、ソルビトールでは虫歯菌が育ちにくいため、虫歯予防の甘味料として知られています。
さくらんぼやアメリカンチェリーには、リンゴ酸やクエン酸、ブドウ糖と果糖がバランスよく含まれており、虫歯予防のほかに疲労回復、美肌作用、高血圧予防効果が期待できます。また、赤や紫の色はポリフェノールの一種、アントシアニンという色素が、疲れ目の回復、抗酸化作用を発揮して生活習慣病や老化の原因を抑える働きがあります。
◆葉酸による美容効果
葉酸という水溶性ビタミンに分類される生理活性物質が多く含まれる。貧血予防や妊娠中の女性に、とくに必要とされている。
【可食部100g中栄養成分】
葉酸(国内産:38mcg、米国産:42mcg)
◆メラトニンによる睡眠促進
果実にメラトニンが多く含まれていることが発見された。メラトニンは睡眠の周期をコントロールする神経ホルモンの一種で、睡眠を促進し、時差ボケを和らげるとされる。眠れない夜はグラス一杯のさんらんぼジュースを。
◆カリウムによる高血圧や動脈硬化の予防
【可食部100g中栄養成分】
カリウム(国内産:210mg、米国産:260mg)
美味しくて可愛いだけではない、うれしい効果が期待できそうですね。

パイ・チョコレートケーキ・ムース・チーズケーキにも・・・さくらんぼはお菓子には欠かせない果物ですね 
パイ・チョコレートケーキ・ムース・チーズケーキにも・・・さくらんぼはお菓子には欠かせない果物ですね 

「さくらんぼ狩り」の醍醐味とは!?

さくらんぼ農家さんでは、大きくなってきたさくらんぼが、太陽の光をいっぱいに受けて真っ赤に色づくように、地面に銀色のシートをしいて、木の下からも光が当たるようにします。
また、6月頃は雨が降りやすい季節。
大きくなって色づき始める頃にさくらんぼが雨に当たると、雨に濡れたさくらんぼは実が割れてしまいます(裂果)。その原因としては、さくらんぼの実には、目に見えない小さな穴がたくさんあり、そこから果実に水が入り込んで膨らみ、実が割れてしまうのだそうです。
割れてしまったさくらんぼは商品にならないので、さくらんぼの木を覆うように雨よけのビニールの屋根をつくります。
農家さんは常に天気予報や雲の流れを見て、雨に注意しつつ、さくらんぼに日光を当てて、大事に大事に育てていきます。

さくらんぼの本当に一番美味しい食べ方は、 朝5~6時くらいに朝採りし、低温下では味のバランスを最も左右する酸味が落ちやすくなるため、冷蔵庫に入れるのではなく、気温10度くらいの場所に常温保存します。ざるなど、通気性の良い入れ物にさくらんぼを入れ替え、その上に濡れタオルをかけて、さくらんぼの水分蒸発を防ぎます。
お昼頃までには食べ切ってしまうのが、一番美味しい食べ方です!
「さくらんぼ狩り」は雨の日にも楽しめて、見た目も麗しく味も最も豊かなさくらんぼを味わえる今ならではの季節の行楽となっています。
ぜひ訪れてみたいものですね。

日光に輝く「さくらんぼ」の木 この眺めは素晴らしいですね!
日光に輝く「さくらんぼ」の木 この眺めは素晴らしいですね!