6月、今年も梅雨のシーズンがやってきました! 雨の予報が出た日はなぜか、決まって体のどこかが痛くなったり、わけもなく気分がふさいだり……そんな方も多いとききます。お天気に左右されるからこそ、人間はこんなにも気象予報が気になるのでしょう。ことに雨は、いつもより人を「感じやすく」するようですよ。

空から雨のカーテンが
空から雨のカーテンが

雨が「痛み」をつれてくる・・・

「雨になると古傷が痛む」「雨の日は頭痛がする」「足や腰が痛くなる日は雨か雪が降りだす」・・・こんな症状を『天気痛』と呼ぶそうです。
低気圧や湿気でむくむことにより血行が妨げられ、完治した皮膚表面の下に残っている傷跡が圧迫されたり、痛みを感知する神経が刺激されるために起こるといわれています。さらに、こうした「痛み」で雨予報してきた習慣が「雨が降るとまた痛くなる」というストレスにつながっている場合もあるのだそうです。
一方「子供が騒ぐと雨が降る」という諺がありますね。
たしかに雨が降る前の子供って、なにやら落ち着きがありません。体が痛むわけでも雨が降ると知っているわけでもなさそうなのに、どうしてこんな「予報行為」をするのでしょう。
じつは低気圧が近づくと、体内のアドレナリンが増えて自律神経の働きが活発になり、神経が昂って興奮したりイライラしたりするといわれています。
そんなとき、大人は自制できるけれど子供はできないから騒ぐ!というのが、この諺の意味らしいのですが……クールな子供と自制できない大人が増えている現代においては、年齢は無関係かもしれません。
とりあえず、雨が人間の体調だけでなく自律神経や生理機能にも影響を及ぼすことを知っていれば、イライラする自分にとまどって落ち込んだり 騒ぐ子供をやみくもに怒鳴りつけたりしないですみそうです。事前に天気予報をチェックすれば、あらかじめ心の備えもできますね!

雨の日を嗅覚で思い出そう

ちょっと埃っぽいような、「雨の匂い」はお好きですか。
雨の日、嗅覚はいつも以上に香り成分をとらえようとします。毎日使っている化粧品からも、毎日通う道に咲く花や草からも。香りは、乾燥している日より湿度の高い日のほうが強く重く感じられ、その持続時間も長くなるのだそうです。
雨の匂いには、名前があります。まずは降り始めと、降った後。
1960年代にオーストラリアの科学者たちが、湿度80%以上になるとある種の粘土が匂いを発散することを発見し、『ペトリコール』と名付けました。また、1世紀前のイギリスでは、大雨が降った後の「水が腐ったような」カビ臭い匂いを『ジオスミン』と呼びました。コイやナマズなど川魚の泥っぽい匂いのもとも、このジオスミンです。

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