ミミズバーガーは可能か?「蚯蚓出(みみずいずる)」 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミミズバーガーは可能か?「蚯蚓出(みみずいずる)」

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ムダなものは一切、付いてません♪

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ソフト系のご馳走ゲ〜ット☆

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人としてミミズを食べる魚釣り

人としてミミズを食べる魚釣り

地球の全ての食べ物は、ミミズさんから。

地球の全ての食べ物は、ミミズさんから。

ミミズがお好きな方〜? あらら。いらっしゃいませんね・・・5月10日〜14日頃は七十二候「蚯蚓出(みみずいずる)」。カエルや虫よりちょっと遅めにミミズが土から這い出してくる時季です。人には嫌われながらも、魚や鳥など多くの生きものに美味しく食べられているミミズ。それなら人間も? 長年語り継がれてきた都市伝説「じつは大手ハンバーガー店の肉にはミミズが使用されている」は、はたして可能なのでしょうか? (衝撃画像等はありませんが、お食事前やデリケートな気分の方は閲覧ご注意?くださいませ)

そもそもミミズはみんなに食べられまくっている!

世界各国で古くから釣りに愛用されているように、ミミズはあらゆる生きもののエサとなっています。独特の匂いと動きが、魚や鳥や両生類たちのハート(本能)をわしづかみ。モグラなどは、1日に自分の体重と同じくらいの重さのミミズを食べるといわれるほどです。
なぜミミズがそんなに人気なのかというと、ミミズの体はおよそ5〜7割が、動物の重要な栄養源であるたんぱく質でできているから・・・栄養豊富なうえ、固い殻もトゲもなくてとっても食べやすい!しかも世界中のどこにでもいるからとっても便利! 動物の世界において、ミミズはなくてはならない良質な「食材」なのですね。
ではミミズ自身は何を食べているのでしょう。答えは、土。正確には、土ごと微生物などを飲み込んで、栄養を吸収してから土ごと排出しています。
体内で耕されたように柔らかくなった土は、植物にとって嬉しいご馳走。ということは、植物たちもまたミミズに育てられているといっても過言ではありません。
おまけに、ミミズは死ぬと自分の体をどろどろに分解して、他の土の中の生きものや微生物のエサとなります。つまりミミズは、地球上のほとんどの生きものに食べられている存在なのです。
そんなによい食べ物なら、人間にとっても栄養食になるのでは?
じつはタンパク質やミネラル、コラーゲン、ビタミンなど栄養価の高いミミズは、世界各地で食材として使用されているようです。ニュージーランドの原住民の中には、ミミズをシチューのように料理して食べる人たちもいるといいます。
また、乾燥させたミミズは漢方で「地竜」と呼ばれ、昔から解熱剤などとして使用されてきました。

だからバーガーになっても不思議はないのです・・・

アメリカのカリフォルニア州などでは、ミミズを使った料理コンテストも行われているそうです。肉はクセがなく淡白な風味なのだとか。それなら、ハンバーガーに使われても不思議はありませんね!
ところが、たくさんのミミズを料理することはけっこう難しいらしいのです。
手に付くとなかなか匂いがとれない生臭い粘液や、体の表面に生えているかたい毛が、食べたときの口当たりを悪くします(ミミズはこの毛を土に引っ掛けるようにして体の筋肉を前後に伸び縮みさせ前に進みます。それで狭い隙間にも潜り込めるのですね)。人向けに販売するには、調理法に工夫が必要かもしれません。
ミミズは見た目はいかにも柔らかく、そのままちゅるっと食べられそうなのですが、お腹の中には土がぎっしり。「ミミズの踊り食い」する人もいるにはいるそうですが、噛んだら口の中が土でじゃりじゃりになってしまうし、だいいち衛生面も心配です。普通は泥抜きが必須・・・それには一匹一匹、手でしごき出すか、ウナギをさばく要領で切り開いて取り除くという、気の遠くなるような作業が必要なのです。
もしくは、健康食品などの工場のように「泥を吐かせるシステム」を完備させる必要が(もちろんコストがかかります)。そもそも、ミミズ10gで200円するともいわれ、牛肉に比べてず〜っと高価。もし本当に入れているならば、会社としてはコッソリどころか「栄養価の高いミミズを、手間ひまかけてたっぷり使用!!」と、むしろ大キャンペーンをはりたいぐらいではないでしょうか。
こうしてみると、ミミズは直接食べるより エサにして魚を釣ったり鳥を捕まえたりする方が、人の食材確保としては現実的といえそうです。

じつは今の食べ物はみんなミミズ関係?!

ミミズは生物学的には虫ではなく「環形(かんけい)動物」に分類され、ちょっと見はただのヒモのようですが、よく見ると輪っかがつながったような体の仕組みをもっています。
ミミズの名前の語源は「目見ず」といわれています。見て確認できる「目」はありませんが、体の前後に光を感じる細胞があって、暗い方へと進みます。土の中で生きやすく進化したスーパームダなしボディは、鼻も耳も手足もなし! 骨もないので、体全体を自由に曲げられます。呼吸するための肺もエラもなく、表面の皮膚から酸素を直接とりこんで炭酸ガスを出します。ミミズには、土の中のわずかな酸素で生きられる特別な赤い血が流れています。
なんと、4億年以上も前の地層からミミズの化石がみつかっているそうです。
じつはミミズは それまで海の中にしかいなかった生物が陸上に進出しはじめた、最初の生物のひとつと考えられています。一緒に打ち上げられた海藻の中に潜り込んで、当時の強烈な日光や乾きを避けながらがんばって生き延び、長い時間をかけて「土を作った」というのです。
食物連鎖では、植物の遺骸などを土に返して他の生きものが利用しやすい形に変える「分解者」。でもそれ以上に、土の歴史そのものを支える存在だったのですね!
現在、農薬などが原因で微生物がいなくなりミミズが生きていけない土が増えています。さらに、重金属や薬剤に汚染された土壌に暮らすミミズの体には、汚染物質がどんどん濃縮されてたまっていき、それを食べる生きものたちへ影響していきます。
「ミミズというのは、自然界の連鎖において、ちっぽけでいやしむべき存在のように見える。しかしいなくなってしまったら、その重要性を思いしらされるだろう」
ギルバート・ホワイト(18世紀イギリスの博物学者)
這い出してくるミミズを思い、「よい土」のために人ができることを考えたいですね。<参考>『あなたの知らないミミズのはなし』中村方子・監修(大月書店)


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