二十四節気「穀雨(こくう)」。百穀を潤す春の雨が、けむるように降るころ

2016/04/20 11:00

田畑を潤し、作物を育てる春雨が降るころとなりました。本日4月20日は「穀雨」。大地に降り注ぐけむるがごとき春の雨は、さまざまな穀物の種子の生育を助けます。「穀雨」は、春の最後の二十四節気。この節気のおしまいには、茶摘みや苗代の籾蒔きなどの目安とされ、夏の始まりを告げる「八十八夜」が訪れます。

田畑の準備が整い、それに合わせて恵みの雨が降るころ 4月20日から始まる「穀雨」とは、穀物の成長を助ける恵みの雨のこと。『暦便覧』には、「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記され、春の雨が全ての穀物を潤すという意味合いがあるとされています。 そろそろ田畑の準備も整い、小麦の収穫や田植えの時期も迫ってくるころです。 湿度を帯び、けぶるように降る春の雨。さまざまな雨の名前がこの季節の風情を物語ります。 「甘雨(かんう)」は草木を潤す雨のこと。 「春霖(しゅんりん)」は春の長雨。菜の花が咲き競う頃降る長雨だから「菜種梅雨(なたねづゆ)」といわれたりもします。 「催花雨(さいかう)」は、桜をはじめ色々な春の花を咲かせる雨。 桜が盛大に散った後も、花水木、レンギョウ、サツキにツツジと、次々と競うように咲く花の開花をうながします。
催花雨(さいかう)にうながされ咲くジャパン・ローズ「山吹」の花 春雨の晴れ間に広がる青空に、ぱっと黄色い花の姿が映えるのが「山吹(やまぶき)」。 秋の萩に対して、春の里山の代表的な花として、万葉の昔から愛されてきました。 開花時期は、4月の初頭から末頃。現代ではなんとなく地味な存在ではありますが、万葉の時代には恋の花として、宴席では頭に挿して飾られるなど、人々を魅了する花であったようです。 バラ科の山吹は、イギリスでは「イエロー・ローズ」。「ジャパン・ローズ」とも呼ばれているとか。 金色にみまがうほどに鮮やかな山吹の黄色は、見る者の心をはっととらえてきたのでしょう。
甘雨(かんう)に山椒も「木の芽」を伸ばし、花を咲かせます このころ旬を迎える筍と一緒に出回るのが「木の芽」。これは山椒(さんしょう)の若芽で、木の芽あえやつまに使われ、春の香りとして楽しまれています。実をつける前に小さな黄色い花をつけるのですが、これが「花山椒」と呼ばれ、市場ではほとんど出回らない知る人ぞ知る高級食材なのだとか。 山椒は日本原産の香辛料。卑弥呼の時代にさかのぼるほど昔から日本人に親しまれ、葉、蕾、実と多目的に利用できる優れもの。葉や実にまして、なんとも言えない香りが口の中だけでなく、部屋中に広がるという花山椒。一度入手して食してみたいものです。
季節はゆっくりとめぐり、晩春からやがて初夏へ…。 ひと雨ごとに緑の濃さが増し、しばし忘れていた、夏の暑さを思い起こす時季となりました。 ※参考&引用 植物と行事(湯浅浩史著・朝日選書)

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