基礎科学知識は身を救う!? この春公開の「置いてけぼり映画」に学ぶ 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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基礎科学知識は身を救う!? この春公開の「置いてけぼり映画」に学ぶ

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アカデミー賞の記憶に新しい、「レヴェナント:蘇えりし者」「オッデッセイ」
この二つの作品に共通するのは、どちらもたった一人過酷な環境に取り残された主人公がサバイバルして生還を目指す、というストーリー。舞台は、かたや西部開拓時代の大自然、かたや近未来の宇宙空間ですが、どちらも自分の持っている科学知識を駆使してサバイバルしていく物語です。理数系や基礎科学研究が年々軽んじられているのでは?と言われている昨今…どちらも「芸が身を助く」ならぬ「基礎科学が身を助く」と改めて感じさせてくれる映画のようです。

ウジ虫は素晴らしい

まだ公開前の「レヴェナント 蘇りし者」。
観賞前に色々調べてみることに。この物語の主人公、探検家のヒュー・グラスは実在の人物。仲間と探検の旅に出た彼は途中、熊に襲われ瀕死の状態に。隊長は、まだ経験の浅い若い二人に「彼は、瀕死の状態で、もうこれ以上連れては行けぬ。彼の最期を看取り、埋葬してやるのがお前達の任務だ!」と命じ、先に出発してしまいます。すぐにヒューが息絶えると思っていた彼らでしたが生命力の強かった彼は中々死にません。なんと業を煮やした若いハンター2人はまだ息のある彼を生き埋めにして出発してしまうのです。
それからが壮絶です。息を吹き返したヒューは究極のサバイバルで生還を目指します。他の仲間に武器や食料を奪われた上、足を骨折するなど満身創痍だった彼ですが、長年のハンター生活で培ってきた知恵で次々と困難を乗り越えて行きます。その中でも印象的なのが、壊疽してしまった背中に負った傷口の治し方。彼はなんとその傷口にウジ虫を放ち壊疽した組織を食べさせ傷を治すのです。ウジ虫は動物の腐った(壊疽した)部分が大好物。腐った部分だけをキレイに食べ尽くしてくれるのです。筆者も、以前このウジ虫治療法は海外ドラマ「CSI」で知りビックリしたのを覚えています。それまではあの見た目で苦手な生き物でしたが、その人類に対する効能(?)を知り、現金ですが、見る目が変わってしまいました。
ヒュー・グラスは時に狼を捕まえ食し(映画の中でこのシーンを撮影した時、ベジタリアンのディカプリオはお腹を壊し大変な目にあったそう)、数々の困難を乗り越え6週間かけ320kmの距離を生還したそう。探検隊の仲間とも再会。件の二人も許し、再び探検に出かけました。こんな勇敢な彼、人々に語り継がれ英雄となったのも納得です。
映画はこの実話を元に構成されているので、全て実際にあったことではないようですが、モデルになったヒュー・グラスが実在し大変な生還劇があったのは事実。彼の話や映画から、現代人が学ぶ事は沢山ありそうですね。

自分の◯◯で作物を育てよう

そして現在公開中の「オッデッセイ」
こちらも火星にたった一人取り残されたマット・デイモン演じる主人公の宇宙飛行士のサバイバル物語です。
こちらは、瀕死の重傷を負った彼が仲間に死んだと勘違いされ、火星に置いてけぼりにされてしまいます。彼が生きているとわかり、さぁ大変。NASAは彼を救うべく再び火星に救助隊を送るのですが、救助隊が火星に到着するのはなんと4年後!!彼はどうやって4年も生き延びるのでしょう。
まずは酸素と水が必要ですね。ここで、そうです、小学校の時の理科の実験が生きてくるのです!確か酸素は過酸化水素水と二酸化マンガン…水は…アァ、もっとキチンと覚えていれば!となるわけですね。もちろん映画の中のマット・デイモンは宇宙飛行士であると共に植物学者であるという設定。こんな基礎的な事は難なくこなしていくようです。酸素と水の次は食物です。ステーション内に僅かに残っていたジャガイモを種芋に自分の排泄物を肥料にどんどん育てていくのだそう。
ともすると、このような映画の場合、孤独に打ち勝つため、家族が地球から呼びかけたり、昔の恋人との思い出に浸ったり…などの描写が挟まれそうですが、「オッデッセイ」の主人公は実に淡々と日々を送っていくそう。人が極限状態で生き延びる為には愛だの恋だのそんなものは何の役にも立たないのです。「科学」が命を救うのです。感傷的に泣いたり叫んだりすれば無駄に酸素が減るだけです。この映画ではBGMも印象的だそう。ちょっと年上の仲間の宇宙飛行士が残していった80年代のディスコミュージックの音源が全編流れるそう。そんな軽快な音楽にのって時にはユーモアに主人公は淡々と任務をこなしていくようです。4年も一人っきりで過ごすうち精神面でも破綻をきたしてしまいそうですが、主人公はユーモアで乗り越えていきます。確かに笑顔は細胞を活性化させると言いますね。
「オッデッセイ」は完全なフィクションですが、この映画からも又違ったサバイバル術を学べそうですね。

小学校の理科がいかに大事か…又学びたくなりますね

私たちが西部開拓時代や火星に取り残される事などあり得ないんだから、やはり日常に科学なんて必要ないんじゃない!? と思われるかもしれません。
しかし、日本は大震災に見舞われました、又温暖化による天候の変化で、災害も年々増えています。又いつどこでテロに遭遇するかわからないという恐ろしい現代。最低限のサバイバル術が必要な時代になった気がします。
学校で学んでいる時は、将来何の役に立つのかしら?と思われがちだった理数系の授業。大人になるとどんなに大切だったかと身にしみてきませんか?
なんだか又学びたくなってきました。とりあえず気軽に映画から学んでみるのはいかがですか。


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