「東京の春に音楽祭を!」という思いを込めて始まったフェスティバル、「東京・春・音楽祭―東京のオペラの森―」。早いもので、今年2016年で12年目となり、春を彩る上野の風物詩として少しずつ認知されてきました。
上野に桜の花が咲き乱れるこの季節、たまには飲めや歌えの喧騒を離れて、優美な音楽や素晴らしい歌に癒されてみませんか? 感動で心が震える体験ができるかもしれません。
さあ、今年の聴きどころをチェックしてみましょう!

桜が咲くとなんだかソワソワ、うきうきするのはなぜ?
桜が咲くとなんだかソワソワ、うきうきするのはなぜ?

東京・春・音楽祭とは、どんな音楽祭なのでしょうか?

東京・春・音楽祭は通称「ハルサイ」といい、文字通り、東京への春の訪れを祝う音楽のお祭です。
今年は2016年3月16日(水)~4月17日(日)までの約1ヵ月間の開催で、会場となるのは上野をメインとした東京文化会館などの音楽ホールや国立科学博物館や国立西洋美術館などの文化施設。
オーケストラによる演奏会や合唱、室内楽のミニコンサートなどがあり、絵画展とコラボしているイベントも。
多くの名だたる企業が協賛し、日本の、東京の、新しい音楽祭を力強く応援中。文化庁や東京都が後援者としてしっかりバックアップしています。
この期間中は毎日、上野周辺のどこかで様々な催しが開催されます。

トップバッターを飾るのは帝王ムーティ率いる記念オーケストラ

ハルサイ初日(3/16)に東京文化会館に登場するのは、イタリアのマエストロ、リッカルド・ムーティ指揮、日伊国交樹立150周年記念オーケストラ。
帝王ムーティの熱血指導で育成されたイタリアの若手によるルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団と日本の若手トップ奏者たちによる特別編成オーケストラのコラボです。演目はヴェルディの「ナブッコ」「マクベス」など数ある歌劇から6曲と、ボイトの歌劇「メフィストフェレ」より1曲の予定。
オーケストラや歌手を見事に統率するムーティのたくましく力強い指揮が音楽祭の幕開けにふさわしい圧巻の演奏を導き出すことでしょう。

子どものためのプログラムに注目!

次にご紹介するのは「東京春祭 for Kids 2016」。
“音楽物語「ぞうのババール」~こどものころのおはなし”(3/19、東京文化会館小ホール)は物語に音楽をつけ、ピアノ(三浦友理枝)と語り(石黒 賢)で進んでいく公演はハルサイならでは。
ババールのお話を初めて聞く子もきっと楽しめるはず! びっくりしたり、うきうきしたり、ちょっとさびしかったり・・・・・・そんな気持ちはどんな音楽で表現されるのかな? なんだかワクワクしますね。
子どものための公開リハーサルもあります。メインプログラムで開催される演奏会のリハーサルを公開するもので、リハーサル前には「おはなし」を聞きます。
いずれも東京文化会館大ホールで「ジークフリート」(4/5)と「レクイエム」(4/17)の2回。
世界中から集まる著名な指揮者やオペラ歌手、日本を代表するオーケストラの演奏を間近で観て聴くことができる絶好のチャンス!ちょうど春休み中の子どもたち。生の演奏を耳にすることで、さらに感受性が豊かになるのではないでしょうか。(公開リハーサルは無料ですが、事前申込制です。3/22応募締め切り)
つい大人も楽しみにしてしまいそうなプログラムですが、大人は保護者として子どもの付き添いでのみ入場可能ですので、ご注意くださいね。

絵本に音楽がつくなんて、楽しい!
絵本に音楽がつくなんて、楽しい!

絵画と音楽のコラボレーションも楽しそう

最後は芸術同士のコラボ、ミュージアム・コンサートです。
まずは、既に開催中の「ボッティチェリ展」を記念したコンサート(東京都美術館 講堂)。
ボッティチェリの時代を、声楽アンサンブル(3/19)、ハープ(3/27)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(3/31)で表現します。
そして、3/1から始まった「カラヴァッジョ展」の記念コンサート(国立西洋美術館 講堂)もあります。
リュート(3/28)、古楽アンサンブル(3/29)で過ごす春のひととき。
絵画に描かれた古楽器や当時の宗教音楽など、さまざまな観点から魅力ある演奏会が聴けそうですね。
──この他にも、ワーグナーのオペラを毎年1作ずつ演奏会形式で上演する「ワーグナー・シリーズ」や、大編成のオーケストラと合唱による壮大な「レクイエム」、1ドリンク付きで夜の博物館を楽しむ「ナイトミュージアム」など、さまざまなイベントが目白押しです。
チケットは完売しているものもありますが、まだ残っているものもありますので、気になる方は「東京・春・音楽祭」で検索してみてくださいね。HPでは視聴をすることもできますよ。