●ベイカー街の地下鉄の思い出

シャーロキアンの端くれである筆者も、以前英国に旅行にいった目的のひとつは、シャーロック・ホームズでした。
筆者が行った当時は、ベイカー街地下鉄駅の構内に、モリアーティというカフェがあり「ホームズでなく、モリアーティとはなんとファン心をそそるのだろう」と嬉しくなりました。
そのあと、ベイカー街221Bまで足を運びました。道を歩いたり、ホテルシャーロックホームズの前で写真を撮ったりしました。お土産やさんやのぼりがあるわけではないのですが、この道をホームズとワトソンが歩いた(実在の人物ではありませんが)と考えると、子供の頃から憧れていたロンドンのベイカー街のこの地に立ったんだ、と何とも言えない熱いものが胸にわきました。

ベイカー街の地下鉄駅前の写真を撮っていると、素敵な紳士が、「写真を撮ってあげましょうか?」と声をかけてくれ、駅のプレート前に立ち写真を撮ってもらうことができました。
お礼をいうと紳士は、「どういたしまして、みんなここで、写真を撮りたいんだよ。」と満面の笑顔。
ホームズは英国の誇りなんだな、と感じた瞬間でした。
パブ「シャーロック・ホームズ」にもビールを飲みに出かけました。やはり、ホームズのファンなのでしょう。日本人観光客の姿もちらほら。
ロンドンの劇場では、当時NHKで放送していたしたグラナダ版『シャーロック・ホームズの冒険』の舞台版を、ジェレミー・ブレット本人が主演で上映していました。英語がわからないと難しいかなとあきらめたのですが、今考えれば、見ておけばよかったなと残念に思います。

●世界的スターになったベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマン

「シャーロック」のTVドラマが始まる前は、英国の若い人には、「シャーロック・ホームズ、昔の小説ね。知ってはいるけれど原作を読んでいない」という風潮があったようです。
しかし熱烈なシャーロキアンであるプロデューサー マーク・ゲイティスとスティーブン・モファットは、原作を大事にした、現代版として素晴らしいシャーロックホームズ像をよみがえらせ、世界中のシャーロキアンをうならせるだけでなく、新たなファンを獲得しています。
改めて導入部を読み直してみると、アフガニスタン侵攻など現代版シャーロックの導入部がそっくりそのままあてはまるのに驚かされます。ビクトリア時代と同じことが、、現代で起こっているのは悲しいことですね。
主人公ホームズを演じたベネディクト・カンバーバッチは、『SHERLOCK (シャーロック)』により一躍、世界的スターになりました。ワトソンを演じたマーティン・フリーマンとの掛け合いは、今もファンをにやりとさせています。

1887年、ホームズの第1作「緋色の研究」が世にでてから129年…今なお色あせないシャーロック・ホームズの華麗なる冒険を、今後も楽しんでいきたいですね。

参考;シャーロック・ホームズの愉しみ方 植村昌夫著
ホームズまるわかり事典 平賀三郎編著