皆さんは納豆に「旬」があるのをご存じですか?
実はちょうど今の季節(1~3月頃)が、1年で最も美味しい旬といわれています。
そこで今回は、旬を迎えてますます美味しい「納豆」にフォーカス。
納豆にまつわる豆知識や、ちょっと意外な納豆サイエンスをご紹介しましょう

旬の美味しさが詰まった納豆のネバネバパワーで、寒い季節を元気に乗り切ろう!
旬の美味しさが詰まった納豆のネバネバパワーで、寒い季節を元気に乗り切ろう!

なぜ納豆の旬は1~3月なのか?

日本人のご飯のお供の定番として、昔から食べられてきた納豆。
1年を通して店頭に並んでいるので「旬があるの?」と思うかもしれませんね。
実は納豆の旬というのは、原料となる大豆の収穫時期(11~12月初旬頃)と深く関係しているんです。
収穫後に貯蔵された大豆の新豆は、年を越すと余分な水分が飛んでほどよく身が引き締まり、旨み成分もギュッと凝縮されます。
だから1~3月頃に加工した納豆は、新豆ならではのふっくら感とともに甘味もアップして「美味しい(=旬)」というわけです。

納豆はかき混ぜるほど美味しくなるって本当?

ところで、皆さんは納豆を食べる時、何回ぐらいかき混ぜますか?
納豆はかき混ぜるほど美味しくなると言われていますが、それは科学的にも事実のようです。
農林水産省食品総合研究所の実験によると、納豆の旨み成分のアミノ酸と甘味成分は、かき混ぜる回数が多いほど増えるという結果が出たそうです。
【アミノ酸の量】
100回かき混ぜる → 1.5倍
200回かき混ぜる → 2.5倍
300回以上 → 300回と変わらず
【甘味成分の量】
100回かき混ぜる → 2.3倍
200回かき混ぜる → 3.3倍
400回かき混ぜる → 4.2倍
かの美食家・北大路魯山人も、著書『春夏秋冬料理王国』(筑摩書房)の中で、「納豆を美味しく食するポイントは、ドロドロになるまで400回練ること」と記しています。
400回もかき混ぜるのは根気のいる作業ですが、手間をかけるだけの価値はアリといえそうです。

納豆と●●は食べ合わせが悪い!?

「納豆+生卵」といえば定番人気の組み合わせですが、実はあまり食べ合わせが良くないのをご存じでしたか?
ここで問題となるのが、納豆に含まれる「ピオチン」という成分と、生卵の白身に含まれる「アビジン」という成分の相性です。
ピオチンはアトピーや皮膚炎などの改善に効果があり、美肌のためにも積極的に摂取したい栄養成分です。
ところが、納豆と生卵を一緒に食べると、胃の中で白身のアビジンがピオチンと結合し、腸内でピオチンの吸収が妨げられてしまうのです。
ですから、納豆と生卵を合わせる際には、卵黄だけを入れて食べるのがオススメです。
白身のアビジンは加熱すればピオチンの阻害作用はなくなりますので、残った白身は炒め物や味噌汁などに入れて無駄なく活用してくださいね。

納豆には卵黄だけを入れるのがオススメ
納豆には卵黄だけを入れるのがオススメ

納豆は夕食に食べるのがベスト?

もうひとつ、納豆に含まれる健康成分として注目されているのが「ナット―キナーゼ」という酵素です。
このナットウキナーゼには、心筋梗塞や脳梗塞などの起因となる血栓を溶かす作用があるといわれています。
その作用は食べてから約2時間後に働き始め、その後8~10時間ほど持続します。
心筋梗塞や脳梗塞は早朝に発症しやすいので、血栓予防のためには夕食の時間帯に食べた方が効果的といえそうです。
ただし、ナット―キナーゼは70℃以上に熱すると壊れてしまうため、加熱しない調理法で食べるのがポイント。
納豆汁や納豆チャーハンを作る際には、火を止めてから納豆を「後入れ」するのがオススメです。