寒さ極まる二十四節気「大寒」。春待ちわびるころの第七十候「欵冬華(ふきのはなさく)」 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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寒さ極まる二十四節気「大寒」。春待ちわびるころの第七十候「欵冬華(ふきのはなさく)」

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暖冬、暖冬と言われたこの冬も、寒波が一挙に押し寄せ日本列島各所が雪で覆われました。本日1月21日は二十四節気の「大寒」。今年もなんのかんのと暦通り、例年と同じように寒さ極まるころとなりました。
一年で最も厳しく冷え、凍てつくこの時節ならではの年中行事や風物詩、花もさまざま。七十二候では、第七十候「欵冬華(ふきのはなさく)」を迎え、暖かい地方では、もうまもなくフキノトウが地中から姿を現します。

閏年の今年は本日21日が「大寒」。「寒稽古」や「寒仕込み」、「寒牡丹」も見頃です。

寒の入りから数えて16日目。天文学的に太陽が黄経300度の点を通過する「大寒」を迎えました。その名が示す通り、寒さが極まり、厳しく冷えること大変はなはだしい時節。インフルエンザも流行るころですから、もうしばらくはじっと春を待つ日々が続きます。
このころの張り詰めたような冷たい気候は昔から保存食作りに最適といわれ、酒や味噌、醤油、高野豆腐、寒天などを仕込むのによしとされています。また、寺社での寒垢離(かんごり)、寒中水泳、寒稽古など、あえて最も厳しい気候の中で、心身を鍛え精神を高める真冬ならではの風物詩もあちらこちらで行われます。
そしてこの時期、雪の中でも艶やかに大輪の花を咲かせるのが「寒牡丹(かんぼたん)」。
4~5月ごろに開花する一般的な品種と異なり、この寒牡丹は、春と秋に花をつける二季咲きの変種なのだそうです。春にできる蕾は摘み取ってしまい、秋にできる蕾のみを残し真冬に開花させるとか。東京・上野東照宮や鎌倉・鶴岡(つるがおか)八幡宮でもちょうど今が見ごろ。
防寒のワラ囲いに守られ、夢のようにふうわりと咲き誇る寒牡丹。春に見るこの花の風情とはまた違い、寒空のもと鮮やかさに見事に咲き切ったその美しさが、寒さの中でいっそう胸に沁みるようです。

金運アップに良しといわれる縁起物の「寒たまご」。そのいわれは?

この二十一日は、大寒である。
暦に間違いはなく、これから二月にかけてが一番寒い。暮れから正月、なにかとにぎやかに過ごしたあとだけに、財布の中もものさびしいし、寒さが余計身にしむということにもなる。
――こう綴ったのは、名文家として名高い永井龍男(「大寒に近く」より引用)。この文章が発表されたのは1973年のことだそうですが、2016年の今日の大寒にあっても、同じような気持ちの方も多いと思います。
身も心も懐も、どこかさびしいようなこのころ。この時期だからいただける、開運・招福の食べ物があります。その名も「寒たまご」は、寒の入りとされる小寒頃から大寒が終わるまでに産まれた鶏の卵のこと。
なかでも大寒の日に産み落とされた「大寒たまご」は、無病息災や金運上昇などに特にご利益ある縁起物とされているようです。
(現在と違い昔は、寒い時期には鶏たちもなかなか卵を産まなくなるため、滋養豊富な栄養源としてさらに珍重されたのでしょうか)
アツアツのご飯に生で。鍋焼きうどんに落として。温かいエッグノックにしてと、「寒たまご」を入手して、あったか卵メニューいただいてみるのも一興。
脳の活性化にもいいとされる卵の滋養をしっかりとることは、開運もさることながら、寒さに耐える身体づくりにもつながりそうですね。

七十二候では、蕗の花の蕾=フキノトウが雪から顔を出すころに…

さて、七十二候では「大寒」の初候「欵冬華(ふきのはなさく)」となりました。ここでの「ふきのはな」とは、フキノトウのこと。フキノトウはキク科フキ属の多年草で、数少ない日本原産の山菜。全国の山野に自生し、雪が溶け始める頃、地中から姿を現します。
蕾がまだ硬く閉じていて、周りの葉で花芽が見え始める位までのものが美味しいとされ、古くは薬草としても知られていたようです。
そんなフキノトウをいただくには、天ぷらもいいけれど、やはり「蕗みそ」でしょうか。灰汁(アク)水でゆで、冷水にさらし、刻んで絞り、くるみみそで和えた「蕗みそ」を一口食せば、口の中にじんわりと広がる青いほろ苦さとともに、春を待ちわびるこころがふくらんでくるよう。
寒さ極まる「大寒」を迎え、暦は、季節は巡り、ゆっくりと春へ。
あと15日もたてば「立春」です。※参考&出典
日本の名随筆「冬」(作品社)、年中行事読本(創元社)


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