「新酒」とは、造りたての新鮮なお酒のこと。ワインでいうと「ボジョレーヌーヴォー」が有名ですよね。
日本酒の場合は、コクと深みのある「古酒」と違い、すっきりとした若々しい味わいが特徴です。
すでに昨秋から新酒が出回っていますが、一般的には冬の今こそ新酒シーズンのピーク!
各地の蔵元で新酒の完成を知らせる、杉玉が吊るされています。
今回は、新酒に関するあれこれと、それに合う料理をご紹介。
新酒のことをより理解すれば、きっとさらに深く、おいしくお酒を楽しめるはずです!

新酒の季節を告げる目印の杉玉はちょうど今頃、蔵元に飾られ、徐々に茶色へと変化していきます
新酒の季節を告げる目印の杉玉はちょうど今頃、蔵元に飾られ、徐々に茶色へと変化していきます

まずはここから。新酒って何のこと?

国税庁醸造研究所によると、新酒は7月から翌年6月以内に製造、出荷される日本酒のことを指すのですが、11ヵ月間もあるのでその定義はとても曖昧。
とはいえ、秋に収穫されたお米を使い、冬から早春にかけて出回る日本酒のことを新酒と呼ぶ場合が多く、今がちょうど新酒シーズンとするのが一般的です。「日本酒=冬または春」というイメージの方も多いのではないでしょうか。
これには理由があって、まだ肌寒い季節は、麹の温度管理がしやすく、雑菌の繁殖を抑えることができることから、多くの蔵元がこの季節を選ぶのです。
また、本業は農業や漁業で、期間限定で蔵元に酒を仕込みに来る働き手も多く、人手の面でもこの季節は日本酒を造るのに適しているのです。

酒蔵はただいま繁忙期中!
酒蔵はただいま繁忙期中!

新酒に合うおすすめ料理はこれ!

そんな新酒は、口に含んだときに若さあふれる味わいがあり、舌に刺激を感じるほどの新鮮さがあります。
ワインと料理の相性がいい組み合わせを「マリアージュ」といいますが、新酒もいろいろな料理と合うんですよ。
では新酒は具体的にどのような料理と合うのでしょうか。
●鍋×新酒
新酒のキリッとした味は、温かい鍋物にぴったり。
すき焼きやしゃぶしゃぶというよりは、水炊きや湯豆腐などさっぱりとしたお鍋がおすすめです。今が旬の牡蠣鍋やクエ鍋も◎!
●刺身×新酒
冬から春にかけて旬を迎える魚、マグロやブリ、サワラなどの刺身にもよく合います。
ポン酢といっしょにいただくアンキモや白子とも相性抜群です。
●天ぷら×新酒
すっきりとした新酒には、ほどよく苦みがきいたししとうや白身魚の天ぷらが合います。
天つゆでもいいですが、ここは新酒と食材の味を活かした塩でいただきましょう。
●春の旬食材×新酒
たけのこや菜の花など、春に旬を迎える食材を使った料理も新酒と最適。
たけのこは焼いても煮てもおいしいですし、菜の花はパスタやサラダにしてもよし。
どちらもお浸しにしても新酒とよく合いますよ。
── 濃い味付けのものやお肉を使ったものよりは、上品で淡泊なものがよく合う新酒。
ほかにも冷奴や魚の塩焼きなどいろいろと相性を試してみたくなりますよね。
おいしい肴をつまみに、今宵は日本酒をくいっと一杯どうですか?

貝類をつまみに新酒もおいしくてたまりません!
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