バラエティ豊かな世界の年越し、新年の習慣! なかにはシーソー遊び、ブドウ12粒、揚げパンも!?

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爆竹をかたどった飾りを吊るし、無病息災を祈ります (16:30)tenki.jp

爆竹をかたどった飾りを吊るし、無病息災を祈ります (16:30)tenki.jp
大昔、農業などを行うのに役立てようと考え出された「暦(こよみ)」。
暦ができたことで、古い年が新しい年に替わる「新年」という概念が生まれました。
自然の恵みにたよって暮らしていた昔の人びとにとって、新しい年を迎えることには現代以上に特別な意味があったことでしょう。古代エジプトやバビロニアの時代にはすでに、新年を祝う習慣があったといわれます。
時代が移り変わっても、新しい年に幸運を願う気持ちは同じ。世界じゅうに伝わる、大晦日や新年の習慣を集めてみました。

韓国や中国では、旧暦でお正月を祝うのが一般的

【最初にご紹介するのは、お隣の韓国】
韓国では年中行事を旧暦で祝うのが普通で、西暦のカレンダーでいう元日は「新正」、旧暦でいう元日は「旧新」と呼ばれます。旧暦のお正月には、ご先祖さまにお参りをしたり、目上の人に新年のあいさつをしたり……。そして「トック」というお餅を入れたスープをいただくのだそうです。
ユニークなのは「ノルティギ」という、シーソーに似た遊び。昔、女性がなかなか外出できなかった時代に、このノルティギで跳び上がって、外の世界を垣間見ていた……そんな言い伝えがあるそうです。
このノルティギ、旧暦のお正月にあわせて、博物館などで体験イベントが行われることもあるようです。韓国に滞在する予定がある方は、ぜひ調べてみてくださいね。
【旧暦(「農暦」と呼ばれることも)で祝われる、中国のお正月】
「春節」という言葉は、日本でもすっかりおなじみになりました。華やかな獅子舞や蛇踊りで新年を祝う風景を、中華街などで見たことがある方も多いかもしれませんね。
中国のお正月といって思い出すのは、大きな音を立てて次々に爆発する「爆竹」。神さまをにぎやかにお迎えするためとも、悪霊を追い払うためとも言われています。
ちなみに「お年玉」の習慣は中国にも。「紅包」と呼ばれる真っ赤な袋に入れて渡すのが決まりです。
そういえば、中国の北のほうでは、お正月に「水餃子」を食べる習慣があります。餃子のかたちが、昔のお金の形に似ているため「縁起がいい」として広まったのだそう。ひと昔前までは、一家そろって大量の餃子を作るのが、大晦日の過ごし方の定番だったのだとか。
そして、このお正月に餃子を食べる習慣、ロシアやモンゴルなど、周辺の国にも伝わっているようなのです。この餃子のお話は、また日をあらためてこのコラムで取り上げますので、お楽しみに!

1年に4回も「お正月」がある理由

【中華系の人びとが多い東南アジア】
お正月は旧暦で祝うのが一般的です。
たとえば、ベトナムの旧正月は「テト」と呼ばれ、「バイン・チュン」(豚肉入りのちまき料理)を食べるのが定番です。
【同じ東南アジアでも、ちょっと様相が異なるのがマレーシア】
イスラム教の人のための暦、中国系の人のための旧暦、インド系の人のためのヒンドゥー暦、そして西暦……と、それぞれの民族や宗教に合わせた新年のお祝いが行われます。
【ロシアのお正月】
上でロシアの話が出ましたので、ロシアのお正月についてもご紹介しましょう。ロシア正教のクリスマスは、西欧よりも2週間遅い「1月7日」(「ユリウス暦」に基づいているため)。そのため、新年も盛大にお祝いされます。とはいえ最近は、12月25日にクリスマスを祝う人も増え、年越しをはさんでお祝いを楽しむ人が多いようです。
【モンゴル】
同じく話が出たモンゴルでは、大みそかに羊肉の塩ゆでと、餃子に似た料理「ボーズ」を食べる習慣があります。そしてお正月には、幸せを表す「青い布」を持って、親戚の家などを訪ねて回るのだそうです。

ヨーロッパをはじめ、各国に楽しい「年越し」の習慣が!

【英国スコットランド】
「ホグマニー」と呼ばれる年越しのお祭りがあります。16世紀の宗教改革以降、クリスマスの代わりに新年を盛大に祝うようになったのが由来だとか。ホグマニーはスコットランド各地で行われますが、とくに有名なのがエディンバラのホグマニー。大勢の観光客が訪れる一大イベントとなっています。現在では世界じゅうで行われているカウントダウンパーティーですが、このホグマニーが起源だとも言われています。
【スペイン】
「新年を告げる鐘が鳴っている間に、ブドウを12粒食べると幸せになれる」といわれ、みな競ってブドウを食べます。その証に、年末になると12粒のブドウの入った缶詰が売られるほどだそう。メキシコやペルーにも同じような習慣があるそうで、どんな起源があるのか気になりますね!
【オランダ、イスラエル】年越しに甘いものを食べる習慣がある国も多いようですよ。たとえばオランダで、年越しにつきものなのが「オリボーレン」という、レーズンやドライアプリコットが入った揚げパン。
そしてイスラエルには、「甘く幸せな一年になるように」と、はちみつを塗ったりんごを食べる習慣があるそうです。
── いかがでしたか? ちょっと真似してみたくなるような、楽しい習慣がたくさんありますね。皆さんの住んでいる国や地域にも、きっと素敵な年越しの習慣があるはず。どんな過ごし方をするにせよ、よい年をお迎えください!
参考:芳賀日出男・監修「世界の祭り大図鑑」(PHP研究所)
サカイ優佳子・田平恵美編「ポプラディア情報館 世界の料理」(ポプラ社)
銀城康子・文「絵本 世界の食事」(農山漁村文化協会)
こよみ研究会・編「日本と世界の365日なんでも大事典」(ポプラ社)
木村正俊・中尾正史編「スコットランド文化事典」(原書房)

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