いよいよ今夜はイヴですね☆ クリスマスが近づくと、欧米ではツリーに人形型のクッキーを飾ったりお菓子の家を作って、家族と共に過ごす特別な夜を待ちわびます。グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』に出てくる「魔女の家」も、このジンジャーブレッドでできていたといわれています。古くから伝わる冬の温活スイーツの歴史をひもといてみましょう。

ジンジャー家族
ジンジャー家族

クリスマスの祈りをこめて飾るスイーツ♪

クリスマスツリーのオーナメントとしても使われている「ジンジャーブレッド」。ジンジャー(ショウガ)やシナモンなどの香辛料が入った日持ちのするクッキーで、人形(ジンジャーブレッドマン)や家(ジンジャーブレッドハウス)などを作ります。
クリスマスはもともと、冬至の時季に翌年の豊穣や無病息災を願う祭りが、キリスト教の広まりとともにキリスト生誕と結びついて始まったものといいます。ショウガやシナモンは食べ物の保存性を高め、強い香りは魔除けの意味がありました。ジンジャーブレッドをクリスマスに飾る風習はヨーロッパの各地ではじまり、移民によって受け継がれアメリカで根付いたといいます。家庭ごとに代々伝えられたショウガ入りスイーツには、クリスマスの祈りがこめられているのですね。

ジンジャーブレッドマンはメタボかもしれない説

人の姿をした「ジンジャーブレッドマン」の発祥は16世紀のイギリス。国王ヘンリー8世が、当時流行の病気だった『ペスト』の予防に ショウガ入りのパンを食べるようにと国民に勧めたことからはじまったといわれます。
ペストは、かかると皮膚が黒くなって多くの人が死んでしまうことから黒死病と呼ばれ、恐れられていました。14世紀のヨーロッパでは、全人口の約3割が命を落とすほど大流行します。そんな中、ショウガを食べている貴族だけペストを発症しなかったことから、ショウガの成分が予防に効果的であるとされたのです。
そんなわけで、お腹の出ている国王の姿に似せて人型のジンジャーブレッドが作られるようになったといいます。日本語にも翻訳された童話の主人公『しょうがパンぼうや』も、じつはメタボ体型だったかも?!

おなかパンパンぼうや
おなかパンパンぼうや

お菓子の家がカビないのは魔法効果だけではなく

ヘンゼルとグレーテルがみつけたのは なんと「お菓子の家」。お腹をすかせたふたりは、ついつまみ食い・・・ 魔女につかまるのは恐ろしいけれど、自分もぜひ食べてみたい!! と憧れた方も多いことでしょう。そのモデルとされるのがジンジャーブレッドハウス。ドイツ語「ヘクセンハウス」は直訳すると『魔女の家』! 賢い魔女は、ショウガの香りがする壁に囲まれて(たぶん食べたりもして)温まり、 アンチエイジング効果を最大限に活かして若さを保っていたにちがいありません。
「お菓子なら、すぐカビてしまうのでは?」と日本の子供としては心配でしたが、魔女の家はヨーロッパの乾燥した気候とショウガの強力な防腐作用にも守られていたのです。

ジンジャーブレッドハウス
ジンジャーブレッドハウス

そしてクリスマス・イヴは心も温活☆

今夜は、イエス・キリストの誕生を祝う日。キリスト教系の幼稚園などでは降誕劇を演じたお子さんも多くいらっしゃることでしょう。世界のベストセラー『聖書』をひもとくにも ぴったりの日ですね。
キリストは、この世では頼られるばかりで自分は誰にも頼れずクタクタに疲れた大人が、遠慮なく心を投げ出して甘えることができる、唯一の存在。魂の隠れ場なのですね。教会のキャンドル・サービスに足を運ぶと、小さなロウソクの火が12月の慌ただしい心を鎮めて、温めてくれるでしょう。クリスマスは心の温活シーズンでもあります。
「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」 (『聖書』より)

もろびとこぞりて・・・☆
もろびとこぞりて・・・☆