12月8日の伝統行事「事八日(ことようか)」。日頃使っている針に感謝し、裁縫上達を願う「針供養」の日

2015/12/08 11:00

クリスマスを前に街はイルミネーションで瞬き、お世話になった方へ贈るお歳暮が気になる時期となりました。本日12月8日と2月8日は、昔からけじめの八日といわれる「事八日(ことようか)」。主に西日本で「針供養」が行われ(東日本では主に2月8日)、日ごろ使っている針をこの日だけは柔らかい豆腐やこんにゃくにさし、感謝を捧げ、裁縫の上達を願います。

今年一年、おつかれさま
今年一年、おつかれさま
一年の農事の終わり12月8日の「事納め」と、農事の始まり2月8日の「事始め」 現代ではあまり馴染みがないかもしれませんが、「事八日(ことようか)」といわれる伝統行事があります。 これは、月の満ち欠けを指標にした旧暦の名残をとどめる大切な習わし。半月となる八日の月は満月から晦日への中間を知らせ、古来、物事のけじめに用いられたそうです。 そんなところから、12月8日と2月8日を合わせて「事八日(ことようか)」と呼び、事を始めたり納めたりるする大事な日とされています。 1年の農作業を終える日として、「事納め」の12月8日。農作業を始める日として、「事始め」の2月8日。前者は主に関西地方で、後者は主に関東地方で、様々な行事が行われてきたのです。 ちなみに12月13日も「事始め」と呼びますが、こちらはお正月を基準とした「正月事始め」。この日から迎春準備を始めます。 12月8日と2月8日に行われる「針供養」。こんにゃくや豆腐に針をさし労をねぎらいます そもそも「事八日」は、何事も慎んだほうがいい日とされる物忌日。魔物が家の中をうかがっているので、針仕事も休んだそうです。そんなことから1年間お世話になった道具を片付け供養する風習が生まれ、その代表的な行事として「針供養」が今も残っているのでしょう。 その発祥は和歌山の淡嶋神社。いつもは固いものにさす古い針や折れた針を、この日だけは柔らかいコンニャクや豆腐にさし、ありがとうと感謝をささげ、神社に納めたり、川に流すなどして、裁縫の上達を願ってきたのです。 この「針供養」。先に記した「事納め・事始め」の捉え方の違いから、12月8日に行う地域と2月8日に行う地域があります(現在では両方行うところも多いようです)。 和歌山の淡嶋神社をはじめ全国の淡島神社、浅草寺の淡島堂、大阪天満宮、名古屋・若宮神社など各地で「針供養」は行われていますので、(12月8日or2月8日に行われるか確認のうえ)お近くの神社仏閣へ一度参拝してみてはいかがでしょう。 京都・法輪寺の「針供養」は、平安時代にまでさかのぼり、今も皇室の針を供養しているそうです。
色白美人になりますように
色白美人になりますように
ひと針ひと針、思いを込めて。今も昔も変わらない人の想い 針仕事は女性にとって大切な手仕事でしたので、「針供養」には針をねぎらうだけでなく、様々な祈願の意味合いもあるようです。淡島さまが女性の神様であることからも縁結び、安産祈願にも結びつき、さらにお豆腐を使うことから、色白の美人になりますようにと願ったり、まめ(豆腐のかけて)に働くことが大事(大豆とかけて)と誓ったり、実にさまざま。女性の願いは今も昔も変わらないようですね。 大切な人のために、美しく装うために、生まれたわが子のために、ひと針ひと針縫うための大切な道具・針。針仕事が暮らしそのものを支えていたころからの人の想いを、今に伝える「針供養」。針に限らず、私たちの身の回りにある小さき物さえも大事にするそのこころを、これからも受け継いでいきたいですね。
針は手仕事の象徴
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※参考&出典 年中行事読本(創元社)
ひと針ひと針、想いをこめて
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