北海道では見慣れないブリ。食べ方がわからない主婦も…。

北海道の魚といえば、サケ、サンマ、ホッケ、ニシンなどですが、ここ最近、北海道のスーパーに“デビュー”したブリ。北海道以外の人にとってはお馴染みの魚ですが、北海道民にとっては見慣れない魚なので、食べ方がわからず困惑していた主婦も多いようです。
そんな主婦向けに、情報番組などでブリの料理法が紹介されています。漁師さんのオススメの食べ方は、ブリの切り身をムニエルにして、ポン酢をかけて食べる、というものです。寒ブリと違ってまだ脂が乗りきっていない時期のブリは、煮つけよりも、ムニエルのように少し油を加えた料理がオススメということです。
去年あたりからは、北海道の“寒ブリ”も脂がのっていて、日本海産に負けないくらいおいしいといわれています。スーパーでも徐々にブリが浸透しはじめていて、刺身をはじめブリ大根、照り焼きなども一般的になり、安くておいしいと好評です。

出世魚のブリ。北海道では、フクラゲ→イナダ→ブリ。

ブリは出世魚です。その大きさによって呼び方が変わります。この、出世順の呼び方は、地域によってバラバラですが、北海道では、フクラゲ→イナダ→ブリ、と呼んでいます。
体重が1kg未満のものは「フクラゲ」、または「フクラギ」。1kg から5kg未満のものは「イナダ」。5kg以上のものを「ブリ」と呼んでいます。秋のころのフクラゲについては以前から出回っているので、見慣れている道民も多いと思いますが、最近は、それより出世したイナダやブリも、スーパーなどで販売されるようになりました。
〈参考文献:佐藤充、「積丹半島に来遊するブリについて」、北水試83、2011〉
海水温の上昇や乱獲によって、北海道の漁業が変わろうとしています。ホッケやサンマ、シシャモやサケ、ホタテやカニ…。以前の北海道ブランドの水産物が、確実に減ってきています。かわって獲れているのが、ブリをはじめ、マグロやメカジキなど、本来温かい海にいた魚たち。今後、日本の“お魚マップ”はどうなってしまうのでしょうか。