間もなく11月を迎え、季節は晩秋に突入します。
北から順にやってくる紅葉前線は、すでに信州にもやってきています。
アルプスの山々に囲まれ、天竜川、信濃川などの河川も多く流れるこの地域。ダイナミックな大自然が織り成す絶景の数々は、信州だからこそ見られる風景です。
山頂の初雪の「白」、紅葉の「赤」、針葉樹の「緑」と三段紅葉が見られるのも、信州ならでは。
そこで、今からでも間に合う信州の絶景・紅葉スポットをご紹介します。

風のない日ほど水面の美しさが際立つ「鏡池」
風のない日ほど水面の美しさが際立つ「鏡池」

<絶景その1>CMで話題の美しさ「鏡池」

例年、ちょうど今の時期に紅葉の見頃を迎えるのが、霊山・戸隠山(長野県長野市)の麓に立つ戸隠神社からほど近い「鏡池」です。この戸隠神社~鏡池のエリアはCMにも使用され、一気に人気が高まりました。
鏡池はその名の通り、まさに「鏡」のような池。鏡池のバックにある戸隠連峰のシルエットが水面に映し出される風景はとても神秘的です。夏季も鮮やかな緑が水面に映え、多くの人を魅了していますが、秋の紅葉はさらにその美しさに磨きがかかります。
鏡池は少し行きにくい場所ではありますが、せっかく訪れるならもうひとつ立ち寄りたい場所があります。
それが戸隠神社です。近年、パワースポットとして人気を集めている信州でも有数の観光名所。
紅葉スポットではありませんが、鏡池に訪れるなら、ぜひセットで足を運びたいですね。

静寂な鏡池に映る、秋色に色づく戸隠連峰
静寂な鏡池に映る、秋色に色づく戸隠連峰

<絶景その2>アルプスの山々に囲まれた大自然「乗鞍高原」

長野県といえば、やはり日本アルプスに囲まれた壮大な大自然が魅力ですね。
なかでも乗鞍高原は、観光地としてもメジャーな山麓高原のひとつ。北アルプスの東側に広がる乗鞍高原は標高1000mを越え、夏は避暑地として、冬はスキーを楽しむことができます。
そんな乗鞍高原は、秋には木々が色づき紅葉スポットとしてもにぎわいを見せます。
乗鞍の秋の一番人気といってもよいのが凛とそびえ立つ「オオカエデ」です。深紅に染まった鮮やかなオオカエデと、乗鞍岳山頂の雪の白さが絶妙なコントラストを見せます。
標高1800mを越える場所は、マイカー規制がかかっているため注意が必要ですが、あえて徒歩や自転車で乗鞍の秋を体感してみるのもよいかもしれません。

乗鞍岳をバックにしたオオカエデは絶好の撮影スポット
乗鞍岳をバックにしたオオカエデは絶好の撮影スポット

<絶景その3>暴れ川と呼ばれた国の名勝「天龍峡」

標高が高い乗鞍とは反対に、標高が低くこれから紅葉の見頃を迎えるのが「天龍峡」です。
長野県南部の飯田市に位置する天龍峡は、国の名勝に指定されているほどの絶景。
やはり、オススメは川下りでしょう。舟上から眺める奇岩怪石の渓谷美に広がる紅葉は圧巻です。
また、天龍峡の周辺一帯は公園となっていて、一周約2.5kmの探勝路も整備されています。そのため、時間に余裕のある人は、歩きながら紅葉を楽しむのも素敵ですね。
かつては「暴れ天竜」と呼ばれるほどの急流で知られる天竜川でしたが、その急流がゆえにできあがった絶景が最も輝くこの時季こそ、舟から眺めるもよし、歩いて楽しむもよし、大自然に抱かれた天龍峡の絶景に息をのむ……。
そんな秋のひとときは、きっと忘れられない思い出になるはずです。
── 国内で人気の高い関西方面の紅葉とは、また異なる魅力を放つ信州の紅葉は、大自然の中でこそ見られるダイナミックな景観のオンパレード。
都会ではなかなか味わうことのできない絶景を堪能しに、ぜひ信州を訪れてみてはいかがでしょう。

断崖絶壁の岩肌に続く鮮やかな紅葉の「天龍峡」
断崖絶壁の岩肌に続く鮮やかな紅葉の「天龍峡」