いざ、カスタードを想像して口に入れてみると、それには及ばず。食感はアボカドのようで、バナナと柿を足して割ったような風味です。香りは濃厚なものの、べったりした甘さではなく、酸味もありません。しかも、ねっとりしているようでシャリっとした感じを併せ持つところがなんとも不思議です!


ポポーを食べて食感が似ていると思ったのは沖縄のフルーツ、「チェリモヤ」と「アテモヤ」でした。調べてみると、この2つはポポーと同じバンレイシ科。ちなみに、このフルーツの別名は”森のアイスクリーム“と言いますから、別名までよく似ているようです。
南国果実特有の濃く甘い香り……ここは、好き嫌いが分かれるところかもしれません。

元祖”地産地消“フルーツ?!

ポポーは収穫時期が短く、落果するとすぐに追熟して日持ちがしないので、残念ながら流通には適していません。いわば、地産地消に適したフルーツだったため、自生したものは地元で食されてきたようです。よく聞けば「実家にある」とか、「子どもの頃はよく食べた」という人も多いのだそう。地方の方に聞いてみると案外ご存じかもしれませんよ。
食べ方としては、2つに切ってスプーンですくって食べるのが基本ですが、最近はポポーの美味しさを知ってもらおうと、自生していたポポーを加工し、町おこしにしている町や村も増えてきました。過疎の町がポポーで大騒ぎになったという例もあります。
今では、スムージー、ムース、アイスクリーム、ジェラート、プリンなど、加工した商品が多く出まわるようになり、美味しさと珍しさで地方では話題沸騰中です。

前述のようにポポーは、一般的なスーパーなどでは流通していませんが、最近は直売所などで見かけることも増えてきました。ポポーの旬は通常9月~10月。寒さや害虫に強いので日本列島のどこでも栽培が可能です。北の地域ではこれから収穫というところもありますから、出会ったらラッキーかも。
生で食べるほか、軽く冷凍してフルーツシャーベットとして食べるのもオススメです。
食べたことのない食材にアプローチするのは、ちょっとドキドキでわくわくしませんか? 新しい発見を求めて、もし見かけたらぜひトライしてみてくださいね。