ローストビーフやステーキなどの肉料理に、ちょこっと添えられている緑の野菜「クレソン」。
単なる飾りや彩りだと思って、食べずに残している人も多いようですが……ちょっと待った!!
なんとクレソンはただの添え物どころか、他の野菜をしのぐマルチな健康パワーを持った「最強の野菜」だったんです。
アメリカの医療研究機関が100点をつけ、「栄養素密度の高い野菜」第1位に選ばれたクレソン!
そのスゴイ実力を知ったら、もう、もったいなくて残せなくなるはず!

ただの「添え物」にあらず! 美容と健康のためにモリモリ食べたい「クレソン」
ただの「添え物」にあらず! 美容と健康のためにモリモリ食べたい「クレソン」
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生活習慣病の予防やアンチエイジングに効果を発揮

クレソンはヨーロッパ原種【アブラナ科・オランダカラシ属】の多年草で、日本では明治時代以降に栽培されるようになりました。
この「クレソン」という呼び名はフランス語で、英語ではウォーターレタス、和名ではオランダガラシ・水ガラシといいます。
健康に役立つハーブとして、ヨーロッパで親しまれてきたクレソンには、各種ビタミン(A・B群・C・E・K)、ミネラル類(カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛、モリブデン)、食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれています。
なかでも注目されるのは、ビタミンAの一種であるカロテンが100g中2700μg(レチノール当量450μg)と豊富に含まれている点。カロテンは強い抗酸化作用があることから、生活習慣病・老化の原因となる活性酸素の発生を抑え、動脈硬化・高脂血症・ガンの予防やアンチエイジングに効果を発揮することがわかっています。

まだまだある! 美容と健康に役立つクレソンの万能パワー

クレソンには独特のピリッとした辛みがありますが、これはワサビと同じ「シニグリン配糖体」という成分によるもの。
この辛み成分には、胃液の分泌を促すことで食欲を増進させ、肉などの脂肪の消化を助ける働きがあります。
肉料理にクレソンが添えられているのは、科学的にも理に叶っているんですね。
また、シニグリン配糖体には殺菌作用があるため、口臭を予防する効果も認められています。
食後によく噛んで食べれば、口臭の元となる口内細菌の増殖を抑制して、口の中をサッパリとさせてくれます。
さらに、クレソンに含まれるカリウムは、血液細胞に働きかけて利尿を促し、余分なナトリウム(塩分)を排出するデトックス作用があります。体内にたまった老廃物や塩分、水分が排出されることで、高血圧やムクミの改善に効果が期待できます。
その他にも、食物繊維による便秘の改善、カルシウムによる骨粗しょう症の予防、鉄分による貧血の改善、ビタミンCによる美肌効果……などなど、美容・健康に役立つマルチなパワーを持ったクレソン。
さらに、クレソンのしぼり汁を頭皮に塗ってマッサージすると、抜け毛の予防や育毛・発毛に効果があるそう! そんな活用法もあるなんて、ちょっと驚きですよね。

クレソンが肉料理に添えられているのは意味がある
クレソンが肉料理に添えられているのは意味がある

米の研究機関が「栄養素密度の高い野菜」第1位に選出

そんなクレソンの万能パワーを裏づけるデータが、昨年、アメリカの研究機関から発表されたのをご存じでしょうか。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の機関誌「Preventing Chronic Disease(慢性疾患の予防)」に発表された同研究では、健康に重要とされる17種類の栄養素(カリウム、食物繊維、タンパク質、カルシウム、鉄、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、亜鉛、ビタミンA・B6・B12・C・D・E・K)の含有量をもとに、さまざまな食品をスコア化。
米ニュージャージー州のウィリアム・パターソン大学の研究者らが、これら17種類の必須栄養素の含有量をもとに作成した「栄養素密度の高い果物と野菜トップ41」リストで、クレソンはスコア100点を獲得して第1位となったのです。
ちなみに、クレソンを筆頭に栄養素密度の高い野菜を6位までみてみると……
1位・・・クレソン (スコア  100.00点)
2位・・・チンゲンサイ (スコア  91.99点)
3位・・・フダンソウ (スコア  89.27点)
4位・・・ビーツの葉 (スコア  87.08点)
5位・・・ホウレンソウ (スコア  86.43点)
6位・・・チコリー (スコア  73.36点)…
こうして、最新の研究からもマルチな実力が証明されたクレソン。
日本ではちょっと影の薄い存在ですが、日々の食卓にどんどん取り入れたい野菜のひとつといえそうです。
もちろん、レストランの料理に添えられていたら、残さずにありがたくいただきましょう!

3位のフダンソウは、別名スイスチャードとも
3位のフダンソウは、別名スイスチャードとも