髪と同様、カラダや顔の皮膚にも夏の疲れが出やすい秋は顔ダニ、顔カビが発生しやすい時季であることをご存じですか?
「顔がかゆい」「赤いブツブツが治らない」「皮膚がムズムズ、ヒリヒリする」……。
こんな症状に思い当たる人は、その症状、もしかしたら顔カビのせいかもしれません。
そうした人は、秋口に発生しやすい顔ダニ&顔カビについての知識を深め、一刻も早い対策を講じましょう。

夏の疲れで抵抗力が落ちた肌は、マラセチア菌というカビが大繁殖することも
夏の疲れで抵抗力が落ちた肌は、マラセチア菌というカビが大繁殖することも

誰の顔にも生息している顔ダニ

人の顔の皮膚や頭皮には、毛根や皮脂腺に棲みつき、余分な皮脂を食べることで皮膚を酸性に保ち、細菌から皮膚を守ってくれる顔ダニが生息しています。
顔ダニは、毛根に棲みついている「ニキビダニ」と、皮脂腺に棲みついている「コニキビダニ」のふたつに大別されますが、中高年のニキビは顔ダニが原因であることが多く、その大きさは肉眼では見ないレベル。主に睡眠中に活動をするので、日中はまったく気にならない存在です。
とはいえ、顔ダニと聞くとなんだかいやなイメージを抱きがち。そこで、神経質になるあまり、過度にゴシゴシ洗顔する行為は逆効果。皮膚疾患が見られない場合は平常通りのスキンケアで十分なのです。

顔ダニだけじゃない、顔カビ(マラセチラ菌)も⁉

この時季に注意したいのが、夏の疲れで抵抗力が低下した秋から冬にかけて、急激に顔の皮膚に増殖する顔カビです。
顔カビ(マラセチラ菌)は、もともと人の肌に生息するものなのですが(普段は無害)、湿気と皮脂が大好物!
そのため、皮脂や汗などの分泌物が増加する秋口に大繁殖し、かゆみ、カサつき、炎症といった皮膚トラブルを引き起こすことも。
また、秋口の大気の乾燥から肌を守ろうとして過度な保湿を行うと、カビが逆に発生しやすくなってしまううえ、一度顔カビによる症状(下記参照)があらわれると、自然治癒は期待できないので、「もしかしたら顔カビ!?」と思い当たる人は、ただちに専門医の診察を受けるようにしましょう。

顔カビを原因とする代表的症状

【脂漏性湿疹】(しろうせいしっしん)
鼻の脇、眉まわり、毛の生え際の皮がただれたような状態になる脂漏性湿疹は、皮脂の多い部分や過剰なお手入れによって顔カビが繁殖することで起きます。
【マラセチア毛包炎】(マラセチアもうほうえん)
マラセチア毛包炎は、顔カビが毛包で繁殖して炎症を起こします。症状はニキビと似ていますが、抗真菌剤を使わないと治りません。
【アレルギー性湿疹】
アレルギー性湿疹は、カビが原因となってアトピー性皮膚炎が悪化。かゆみの強さ、赤い湿疹、かぶれなどを特徴とします。

顔まわりの湿疹や炎症は放置せず、専門医の診察を!
顔まわりの湿疹や炎症は放置せず、専門医の診察を!

「顔カビ発生危険リスト」をチェック!

誰しも、強い直射日光や紫外線にさらされた夏バテ気味の肌を回復させ、秋冬を健康な肌で過ごしたいもの。
では、実際に「顔カビ発生危険リスト」をチェックしてみましょう。
ひとつでもあてはまる人は、鏡に向かって湿疹、赤み、肌荒れがないか確認してくださいね。
1. ❏不規則な生活をしていないか
2. ❏肌の修復タイム(22時~深夜2時)に十分な睡眠とっているか
3. ❏化粧パフは1週間に一度の割合で、こまめに洗っているか
4. ❏Tゾーンの皮脂分泌を気にして、過剰な洗顔をしていないか
5. ❏ゴシゴシこすらず、やさしく顔を洗浄しているか
6. ❏フェイス・バスタオルは一度使ったら洗濯しているか
7. ❏枕カバーなどのリネン類も定期的に洗濯しているか
8. ❏ストレスをためこんでいないか
9. ❏糖分・脂っぽいものをとり過ぎていないか
10. ❏疲れが抜けず、体調不良が続いていないか
「原因不明のかゆみに悩んでいる」「湿疹ができてなかなか治らない」「皮膚が荒れている」などの症状が出たら自己判断で対処せず、皮膚科の専門医のアドバイスをもと、適切な処置を行うことが何より大切。
さらに、専門医からの指示に従った適切な治療と並行して、身のまわりを清潔に保つことを心がけましょう。