シルバーウィークまっただ中の日本は急に秋めいてきて、「とにかくビールを飲みたい!」というハイシーズンは終わってしまいましたが、これからはビールと相性びったりの秋の味覚も楽しみですね。
さて、日本よりももっと蒸し暑い東南アジア・ベトナムでは、どんなふうに暑さをしのいでいるのでしょう?  そこで、成長著しいベトナム・ハノイのビール事情をすこしのぞいてみました。

路上にてブンとビールを堪能!(白い麺はフォーではなく、ブンと呼ばれる米の麺)
路上にてブンとビールを堪能!(白い麺はフォーではなく、ブンと呼ばれる米の麺)

コーヒー文化が盛んなベトナム

ベトナムは、暑い国です。8月の一番暑い季節では、毎日げんなりするほどの暑さが続きます。
加えて都市部では近年の経済発展を背景にして、多くの人々が都市に集まり、ビルや住宅が密集して、蒸し暑さが倍増しています。
ベトナムはコーヒー文化がさかんで、観光地でなくとも街にはカフェがどこにでもあります。
近年は、ガイドブックで「しっとりした街」などと書かれているハノイでも、近年の喧騒ぶりでは、カフェで休み休みでないと、とても街歩きはできません。
夏は濃いコーヒーに氷を入れてのみます。底にはスキムミルクが入っていて、甘さが街歩きの疲れを癒やしてくれます。

コーヒーから一転、夕方からはビール

夕方になると、人々は街角で夕涼みを始めます。もちろん、夕方からはビールです。
インドシナ半島東側の細長いS字型の国・ベトナムは、山岳地帯、美しい海岸線、メコンデルタなど、様々な景色を楽しめる魅力ある国です。
それだけに観光ポイントも多いのですが、北から南どの都市でも「ビア・ホイ」と呼ばれるビア・レストランがあり、そうした食堂ではみんなビールを飲みながら、夕涼みをしています。
ビールそのものは、近代になってヨーロッパから製造法が伝わったといわれていますが、ベトナムのビールは、アルコール分も少なめで、軽くて、さわやかな風味。
何より驚きは、ビア・ホイでは生ビール1杯を頼むと、約20~25円(4,000~5,000ドン)と非常に安価!
瓶ビールもありますが、こちらのほうが高いようです。
とはいえ、税金が料金に多く含まれる日本のビールからすると、断然安いことは確か。ビール好きには、なんともうらやましい限りです。

氷を入れて飲むビール

殻つきピーナッツや空芯菜(くうしんさい)炒めをおつまみに、路上のイスに座って通勤帰りで街を走るバイクの洪水を眺めながら、ビールはどんどん進んでしまいます。
おつまみで珍しいのは、厚揚げ。
日本で食べるものとほとんど同じですが、ベトナムでは塩とライムと、ミントの葉と一緒に食べます。これがまたおいしい!
ベトナムの人たちも大きな声で、談論風発。ビールには氷を入れて飲むのがこちらふうのようです。昼から飲んでいるおじさんたちもたくんさいます。
ビールがおいしいからといって、すぐに行けるわけでもありませんが、直行便も増えてベトナムも近くなってきました。もしベトナムに行く機会があったら、ビア・ホイに挑戦してみてください!