歳時記がおしえてくれる秋の色は「白」…二十四節気「白露」と七十二候「草露白し」 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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歳時記がおしえてくれる秋の色は「白」…二十四節気「白露」と七十二候「草露白し」

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早稲に光る露

早稲に光る露

新暦9月8日は、二十四節気「白露(はくろ)」、七十二候の初候「草露白し(くさのつゆしろし)」に入ります。
ともに、いよいよ大気が冷えてきて露さえ白く光る様子を表わしている歳時記なのですが…さて、なぜ秋は白?

大気と気温と太陽黄経が作る白い露

この頃になると、陽射しも柔らかく、朝夕の空気が肌寒く感じる日も現れます。天文学的には、太陽黄経が165度に達します。気温が下がりはじめ、霧が降ったかのように露が草木を白く輝かせます。気温の変化が作る自然現象ですね。
昔の人々はそういった小さな変化を見逃さず、季節のうつろいを言葉にしていたことが、「白露」と「草露白し」には現れていますね。

秋の色は何色?

秋は「白」の季節です。「白」という色には、穢れの無い・誕生などの始まりのイメージが強いかと思いますが、再生という意味もあり、神様からの恵みである「稲」の収穫の季節であること、「稲」は「白米」になることを考えると、繋がりを感じますね。北原白秋の名前の由来はこの五行説の「白秋」に由来していると言われています。
…ちなみに、春は青、夏は赤、冬は黒、土用が黄色で、これは五行陰陽説に基づいており、いわゆる「五色幕(ごしきまく)」の色ともつながります。

七十二候「草露白し」の「白し」とは…

七十二候は、二十四節気とは異なり日本に伝わってから改訂されましたが、その理由は「風土に合わせるため」です。
日本は稲作中心でしたので、自然に対する繊細さがことのほか強く反映されました。そして色彩感覚もまた同じく、繊細さをきわめていたと思われます。
「草露白し」の「白し」という言葉を紐解いてみると、「いとしろし」→「いちじるし」となり、「いちじるし」は「ありがたいもの」につながります。実りの秋を受け止めるために、露が白くなるタイミングをみのがしてはいけない…と、「視覚」からも季節を敏感に感じ取っていた先人の感性に脱帽です。

白露のころの風物詩

この時期、稲以外の秋の実りも目白押しです! 果物では梨や無花果(いちじく)など、野菜ではキノコ類が旬を迎えます。外側には色がついていたも、中身は白いものが多いですね。
旬のものを頂くのが体に一番やさしいことは、よく知られることです。季節の「色」と「味」を意識して食卓に取り入れることは、毎日を自然とともに生きることにもなるのではないでしょうか。
今年は、一つ一つの季節が足早に駆け抜けているように感じるこのごろ…少しでも季節に寄り添い、味わって暮らしていきたいものですね。

《参考図書・サイト》
「白」 原研哉
「暮らし歳時記」
「国立天文台 暦」


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