北海道の夏の代表的な花といえばラベンダー。そして、ラベンダーといえば富良野です。デッカイ空、丘一面の紫のじゅうたん、漂うラベンダーの香り。夏の日差しがまぶしい今、富良野ではラベンダーがちょうど見ごろをむかえています。

ラベンダー、マリーゴールド、ポピー、カスミソウ…。虹色のストライプが丘を彩る !!

富良野のラベンダー畑といえば、中富良野町の観光農園「ファーム富田」が有名です。ここで今、見ごろをむかえているラベンダーは、「おかむらさき」という品種。薄紫色のラベンダーが丘一面に広がり、まるで“紫のじゅうたん”のようです。
ラベンダーとともにさまざまな花も植えられていて、上の写真のように、丘が虹のように彩られています。
紫のラベンダーをはじめ、白のカスミソウ、黄色のマリーゴールド、赤のポピー、ピンクのコマチソウ、オレンジのカリフォルニアポピーなどなど。鮮やかな花のストライプが、なだらかな丘に美しい虹を作り出しています。
大きな青空の下、花の香りが漂うこの丘に立っていると、身も心もリラックスできそうです。

観光農園のさきがけ 「ファーム富田」。ラベンダー栽培に情熱を注いだ創始者の思い。

中富良野町の「ファーム富田」は、旭川空港より車で約45分、JR中富良野駅から徒歩25分に位置します。
1958年(昭和33年)、創始者である富田忠雄氏が10aのラベンダー畑を作り上げたことから、すべてが始まりました。
ラベンダー畑は順調に広くなり、1970年(昭和45年)には、約250戸の農家がラベンダー栽培を手がけ、化粧品用のラベンダーオイルの生産量が5トンを記録しました。
しかし、1970年代前半、合成の香料が作られるようになると、純粋ラベンダーのオイルの価格が下落し、ラベンダーの栽培面積がどんどん小さくなりましたが、富田氏は壊滅寸前のラベンダー畑を守りぬきました。
その後、旧国鉄のカレンダーでラベンダー畑が全国に紹介され、次第に観光客が訪れ始めると、ドラマ「北の国から」のロケ地にもなり、ますます全国に知られるようになりました。
富田氏は1983年に「ファーム富田」を設立、本格的に香水やせっけんの製造もはじめ、90年には南フランスのラベンダー生産者組織から、ラベンダー栽培の功労者に贈られる称号「オートプロヴァンス・ラベンダー修道騎士」が授与されました。
そんな富田忠雄氏ですが、今年の7月4日、83歳でその生涯を終えました。早咲きのラベンダーが満開の時期に亡くなったことに、ラベンダーを守りぬいた「富田さんらしい」という声が上がっています。
〈参考:「北海道新聞」朝刊7月7日号、「北海道新聞」夕刊7月18日号〉

ノロッコ号、ラベンダーフリーパス、ラベンダーエクスプレス…。JRでラベンダーを楽しむ!!

この時期は、ラベンダーを見に行くために、JRの観光列車などが増発されています。
【観光列車「富良野・美瑛ノロッコ号」】
大きな窓から雄大な自然を眺めてゆっくりのんびり走ります。ファーム富田まで徒歩7分の「ラベンダー畑駅」にも停車します。
・6月27日(土)~8月16日(日)の毎日と、8月22日(土)~10月12日(月・祝)の土・日・祝日
・富良野~旭川が片道1,070円
【ラベンダーフリーパス】(有効期間1日)
フリーエリア内(滝川から旭川、美瑛、富良野、幾寅駅まで)の普通列車自由席が乗り放題(「富良野・美瑛ノロッコ号」自由席に乗ることもできる)。
【ふらの・びえいフリーきっぷ】(4日間有効)
千歳空港・札幌~フリーエリア内の普通列車自由席が乗り放題(「富良野・美瑛ノロッコ号」自由席も乗ることもできる)。
【特急フラノラベンダーエクスプレス】(リゾート車両)
千歳空港・札幌~富良野間を乗り換えなし、約2時間で結ぶ特急。車内限定販売のラベンダーアイスクリームは320円。
富良野のラベンダーは今がちょうど見ごろです。8月のお盆のころには刈り取られ、ドライフラワーやラベンダーオイル、香水、せっけん、サシェなどに生まれ変わります。大きい空の下、ラベンダーの色と香りに包まれて、北海道の夏を堪能したいですね。

大きな窓の「ノロッコ号」。デッカイ北海道の真ん中を、ゆっくりのんびりと進む。
大きな窓の「ノロッコ号」。デッカイ北海道の真ん中を、ゆっくりのんびりと進む。