七十二候≪蓮始開~はすはじめてひらく~≫泥より出でて泥に染まらぬ崇高で清らかな花 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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七十二候≪蓮始開~はすはじめてひらく~≫泥より出でて泥に染まらぬ崇高で清らかな花

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東京ではお盆を迎え、急に暑さが増してきましたね。まぶしい夏の陽ざしのなか、七十二候≪蓮始開~はす はじめて ひらく~(7月13日~17日)≫となりました。
池の中からすっと茎を伸ばし咲きほころぶ、仏さまにも縁が深い聖なる花「蓮(はす)」が、各地で見ごろを迎えています。崇高なたたずまいの蓮の花を愛でに、少し早起きして出掛けたくなる時節です。

蓮の花を愛でるなら早起きを。崇高な花々が咲く風景は心洗われる極楽浄土のよう

“泥(でい)より出でて泥に染まらず”と言われ、美しい花が泥の中から伸び立ち花開く姿が、いにしえより清らかさの象徴となってきた「蓮(はす)」。花中央の黄色い部分にたくさんの穴があいていて、蜂の巣に似ていることから、万葉の時代より「はちす」と呼ばれ、数多くの歌にも詠まれています。
その花の命はわずか4日。1日目は早朝より花弁が開き始めほんの少し開いたのち、つぼみの状態に戻ります。
2日目は、同じく早朝に咲きはじめ満開となり、香りを放ちながら最も美しい瞬間を迎えたのち、また半ば閉じてしまいます。
3日目は、2日目と同じく最大に開きますが、受粉を終えためしべは黒っぽくなり、花の色は若干退化。昼頃には閉じはじめます。
そして4日目…いったん3度目の全開を迎えたのち、はらはらと花弁が落ち、はかなくも散ってしまうのです。

2000年前の遺跡から発掘された種から花咲いた「古代ハス」

植物の中でも、最も古いものの一つと言われる蓮。
約2000年前の地層から発掘された蓮の種子が、発芽のエネルギーを秘めていたというエピソードも実に神秘的です。弥生時代の化石として出土した種が芽を出し、浮葉を浮かべ、開花にまで成功したのは1951年のこと。悠久の時を超え、深い深い眠りからさめ咲いた花は「古代ハス」と呼ばれ、現在では全国各地で育てられているので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
極楽浄土に広がる蓮の園。日本の古代に、そんな花の風景が広がっていたとしたら…と、想像してみるのも一興ですね。

花は美しく、根茎は美味しい蓮。茎の繊維から紡いだ蓮糸の織物も

花の美しさも、根茎の(レンコン)の美味しさも、古くから私たちの生活に溶け込んでいる蓮。その茎から取れる蓮の糸で、織物が織られてきたことはご存じでしょうか。
マハーバーラタの一節に、紀元前四世紀頃から繊維として使用されていたと見られる文献もあるということから、その起源はそうとう古いよう。日本では例えば、能「当麻(たえま)」の題材にもなった「當麻曼荼羅」が、蓮糸を使ったものだという逸話があります。奈良の當麻寺(たいまでら)に今もあるこの曼荼羅(まんだら)の原本(実は絹糸だったととのことですが)は、中将姫という女性が一夜で織った奇跡の曼荼羅。こんな伝説が残るのも、仏教との結び付きが深い植物・蓮ならではですね。
また、仏教を深く信仰する国ミャンマーでは、蓮が群生する広大な湖・インレー湖近辺で、今なお蓮の糸が紡がれています。
茎を折って引っ張ると出てくる、クモの糸のように細い糸をよりあわせて紡ぐその繊維は、すべてが熟練の手業によるもの。約1mの生地を織るにも、蓮の茎が一万本以上も必要だと言われるほど、かかる手間は実に膨大なのです。それでも、使い込むほどに柔らかくなる独特の風合いが素晴らしい蓮織物。主に高い位の僧侶がまとう法衣や袈裟としてお寺に奉納されているそうです。蓮が咲く頃とはすなわち、梅雨明けが迫り、炎天が広がりだす頃。昼間の酷暑を避ける意味でも、少し早起きして、蓮の花見はいかがでしょうか。
最適な鑑賞時間は朝7時~9時頃だとのこと。
江戸の昔、上野の不忍池(しのばずのいけ)で行われていたような「蓮見(はすみ)」と洒落込んで、早朝から出掛けるのも、すがすがしい夏の日の楽しみ方の一つになりそうですね。
※参考&引用
蓮について
https://www.ikiiki-zaidan.or.jp/kodaihasu/20.htm
蓮糸について
http://www.1101.com/hasunoito/2010-08-30.html
http://www.wakohsha.com/item/index.html


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