暑い中、今日もがんばって働いた……そんな日のご褒美といえば、キリっと冷えたビール!
最初の1杯のなんと美味しいことか。
このビール、第3のビールが登場するなど、さまざまな種類がありますが、最近、地道ながら確実に人気を集めているのが「クラフトビール」です。
日本各地にある小規模な醸造所で作られるクラフトビールは、今やコンテストで賞を取り世界的に評価されるなど、品質も高く大人気!
そんなクラフトビールの世界をのぞいてみましょう。

色・味・香りとさまざまなクラフトビール。飲み比べてみませんか?
色・味・香りとさまざまなクラフトビール。飲み比べてみませんか?

地ビールからクラフトビールへ

ぷは~っ!
つい出てしまうこのリアクションが、ビールの醍醐味を表していますよね。クリーミーな泡と黄金色に光る液体が渇いた喉を潤してくれるときの爽快さといったら……!
クラフトビール(craft Beer)とはその名が示す通り、ビール職人が造るビールで、主に小規模のビール醸造所であるマイクロ ブリュワリー(Micro Brewery)で製造されています。
1994年の酒税法の改正で、全国各地に誕生したローカルなビール。当時「地ビール」と呼ばれ、一斉を風靡した感がありましたが、“観光地のちょっと変わったビール“と捉えられ、価格の高さも相まってやがて生産中止に追い込まれた醸造所がでるほどに。ブームはほどなく去っていきました。
それでも、美味しいビールを目指してビールを造り続けた職人や醸造所の努力はやがて実を結び、今日のクラフトビールという世界を築くこととなったのです。
ビールの品質の高さや素材へのこだわりは、単なる観光地のご当地ビールではなく、職人技を駆使したクラフトビールとして、尊敬を込めて呼ばれるようになりました。

種類の多さだけでも楽しめる

クラフトビールの奥深い魅力として、まず挙げられるのはその種類の多さ。
次の主な5種類を覚えておくと、初心者でも楽しめます。
◎ピルスナ―(Pilsner)
世界で最も多く造られ飲まれている、いわゆるラガー系で、日本の大手メーカーが造っているビールの主流でもあります。喉越し爽快のスッキリ系。
◎ペールエール(Pale Ale)
ピルスナ―よりも香りや味わいが濃い感じでその製法も異なります。色も濃く、麦芽のコクや甘みが特長です。スッキリ系ながら苦味やコクが深いタイプ。
◎アイピーエー(IPA:India Pale Ale)
インディアペールエールを略して呼ばれるビールで、クラフトビール人気の立役者。苦味が立ちますが柑橘系の爽やかさも強く、野性味のある味わい。
◎スタウト(Stout)
ギネスで有名な黒い色のビール。麦芽を焦がして造られ、苦いというよりも重厚な風味で、麦芽独自の香ばしさを持ちます。クリーミーで滑らかな泡も特長です。
◎ヴァイツェン(Weizen):
小麦麦芽を50%以上使うドイツ発祥のビール。酵母で白く濁っていますが、バナナのようなフルーティな香りがしてマイルドで苦味がないため、ビールが苦手な人にもオススメ。
この他にもフルーツビールやランビック、アルト、バーレィワインなど種類が豊富で、「とりあえず飲む」だけではない、ゆっくり味わえるのがクラフトビールです。

人気のクラフトビールは全国各地に

全国にあるクラフトビールの醸造所は現在200余り。各醸造所では職人が技を磨き、水や麦芽など素材にこだわった独自のクラフトビールを製造しています。
しかも、日本だけではなく、海外を含めたコンテストや品評会などで賞を取っている優れた醸造所がたくさんあります。
例えば、ベアレン醸造所、ベアードビール、常陸野ネストビール、箕面ビール、コエドビール、富士桜高原麦酒、スワンレイクビール……、名前を挙げるとキリがありませんが、どこのビールも美味しそう!
ラベルや瓶、飲むグラスや温度にもこだわるなど、クラフトビールの世界は深みを増し、多少値段が高くとも品質や味を追求する人が増えています。また、クラフトビールのお店は食事にもこだわっていると評判です。
クラフトビールフェスティバルなども開かれているので、ぜひじっくり味わって、自分好みの銘柄を探してみてくださいね。

参考URL:
日本ビアジャーナリスト協会、日本ビール検定(リンク先参照)