じめじめした梅雨空が続いていますが、ここ数年、夏のニュースで「熱中症」が頻繁に取り上げられるようになりました。
炎天下でスポーツや仕事をする人だけでなく、高温多湿の室内でも起こりうるのが熱中症の怖いところ。
つまり、誰もが熱中症になるリスクがあり、それだけに予防策と、もしものときの対処法を知っておきたいものです。
そこで梅雨明け間近の今だからこそ、熱中症を未然に防ぐWBGT(暑さ指数)の活用法と対策をご紹介!
体調をよく見ながら水分補給を心がけ、元気に夏を乗り切りましょう!

水分補給は基本中の基本。喉が渇く前に、コップ1杯程度をこまめに飲む
水分補給は基本中の基本。喉が渇く前に、コップ1杯程度をこまめに飲む

熱中症は、暑さや湿度により、体の水分や塩分などのバランスが崩れて、体温調整ができなくなることで起こります。
暑くて湿度が高いときに激しい運動や作業をしたり、疲れや二日酔いなどで体の免疫力が落ちていると、熱中症になりやすくなります。免疫力の少ない、幼児や高齢者も熱中症になりやすいので注意が必要です。
体温は上昇しているのに、熱が体外に逃げずにそのまま体内に溜まってしまうと、バランスが崩れてしまいます。
体が火照って暑いのに汗が出ない、または大量の汗をかいているとき(血液中の塩分濃度が低下している、水分補給が追いつかない状態)は要注意です。急に気温が上昇した日は、とくに気をつけましょう。

熱中症の症状と対処法

具体的な症状は、
① (軽度)めまいや立ちくらみ、手足の筋肉の痛み、大量の汗など
② (中度)頭痛や吐き気、体に力が入らない、ボーとするなど
③ (重度)呼びかけに対する反応や会話がおかしい、けいれん、きちんと歩けない
上記の③の状態は、とても危険な状態です。すぐに119番して救急車を呼びましょう。
軽度、中度の人に対する具体的な対処法は、
●涼しい場所へ移動する
●安静な状態に
●体を締め付けている衣類をゆるめ、場合によっては服をぬがす
●水や氷、保冷剤などで首、脇の下、太ももの付け根(大動脈部分)を冷やす
●エアコンがきいていない屋外は、扇風機やうちわなどで体を仰ぎ、体の熱を逃す
●意識がある場合は、水分と塩分補給が必要なので、塩を含んだ水かスポーツドリンクを少しずつ、頻繁に飲ませる
また、意識がない重度の熱中症の症状が見られた場合、水分を摂取することができないので、「涼しい場所へ移動」「安静」「体を締め付けている衣類をゆるめる」「体を冷やす」などの対処を素早く行うとともに、すぐに救急車を呼びましょう。

熱中症の予防対策

WBGT(暑さ指数)という熱中症予防に役立つ指標があるので、ぜひ活用しましょう。
WBGT(暑さ指数)とは、①湿度 ②日射・輻射(ふくしゃ) ③気温の3つを取り入れた温度の指標です。
これは体と外気の熱のやりとりに大きな影響を与える温度の指標であり、熱中症の危険度予測として毎日発表されており、WBGT(暑さ指数)が28℃を超えると一気に熱中症患者が増えることが分かっています。
熱中症情報(WBGT値)が分かる主なサイトは下記の通り。
●日本気象協会 tenki.jp
主な地点の熱中症情報が取得可能(リンク先参照)
●環境省 熱中症予防情報サイト
全国のWBGTの実況を予測(リンク先参照)
●総務省 消防庁 熱中症予防(リンク先参照)

熱中症にかからないキホンの対処法

WBGTを活用することも大切ですが、まずは熱中症にかからないことが何より大切です。
その方法は以下の通り。どれもシンプルなことなので、ぜひ皆さんも実践しましょう。
●しっかり睡眠をとって、夏の暑さに負けない体力をつける
●水分をこまめに摂る
●日々の食事のなかでほどよく塩分を摂る(過剰に摂る必要はなし)
●室内にいるときは、エアコンを入れて快適な室温・湿度を保つ
●外出するときは、日よけや帽子、冷却グッズを上手く使う
●衣類は体を締め付けるものではなく、体のなかの風通しがよいものを
このように少しずつの予防を日常生活に採り入れ、熱中症にならない環境を自らの手で作っていきましょう。