ここ近年、全国で頻繁に発生している「ゲリラ豪雨」。
激しい雷雨による土砂災害や、都市部の冠水被害などがニュースでもたびたび報じられています。
特に、夏本番となるこれからの時期は、落雷による死傷事故や、家電機器類の被害などにも注意が必要です。
本格的な雷のシーズンに備えて、落雷から身を守るための方法や、家庭で心がけたいカミナリ対策をまとめてみました。

7~9月はゲリラ豪雨に伴って落雷が起きやすいので要注意!
7~9月はゲリラ豪雨に伴って落雷が起きやすいので要注意!

屋外にいて雷が鳴ったら、ただちに安全な場所へ避難を!

日本での落雷による年平均の被害者数は約20人、そのうち13.8人が死亡しています。他の自然災害と比べれば被害に遭う確率は低い(死傷者は少ない)ものの、命を失う確率は約70%と非常に高いのです。
雷は「高い場所」「背の高い物」「突き出た物」に落ちやすい性質があります。山の頂上・ビルの屋上などの高所や、グランド・ゴルフ場・海上・砂浜・堤防などの開けた平地では、人にも落雷しやすいので要注意です。
雷は直撃被害だけでなく、落ちた雷が近くの物や地面を伝って感電(側撃)することもあります。よって、側撃を受けやすい木の下や建物の軒先、公園の東屋などで雨宿りするのは大変危険です。屋外にいてゴロゴロと鳴り始めたら、落雷を回避できる安全な場所(しっかりした建物や自動車の中)にすぐ避難しましょう。

野外の平地など、近くに安全な避難場所がない場合は?

野外で雷から身を守るためには、「雷座り(雷しゃがみ)」というポージングが有効とされています。アウトドアのレジャーやスポーツなど、安全な避難場所がない時の対処法として覚えておくと安心です。
【雷座りの方法・注意点】
1・近くに高い物体(木・電柱・煙突・クレーン・ポールなど)があれば4メートル以上離れる。数人でいる場合も、お互いにできるだけ離れる。
2・背負っているリュックや、持っている荷物をすべて地面に置く。
3・頭を下げてしゃがみ込み、両手で耳をふさいで姿勢を低くする。地面に手を付いたり、寝そべったりするのはNG。
4・靴のかかとを接触させ、つま先立ちで姿勢を保つ。
雷は少しでも高く・細く・突き出た場所に落ちやすいため、「傘をさす」「頭上に手を伸ばす」などの行為は禁物です。同様に、ピッケルや杖、ゴルフのクラブや釣竿なども危険ですので、手に持たずに寝かせて置いておきます。
また、昔からよく言われている「金属類を外す・ゴム製品を着用する」という雷対策は、実はまったく意味がないそうです。眼鏡や時計、アクセサリーなどの金属類、長靴やカッパなどのゴム製品は、身に付けていてもいなくても、落雷する確率に変わりはありません。

遠くに落ちた雷がパソコンや家電を壊す!?

落雷によって、家庭の電化製品や電子機器が壊れる被害も急増しています。高性能化・省電力化された最近の家電は高電圧に弱く、落雷による過電流が外部ケーブル(電線・通信線・アンテナ線など)を伝ってパソコンやモデム、テレビなどに流れると、電源が入っていなくても機器内部の基盤や回路が破壊されてしまうのです。
これらの被害は、自宅に落雷する直撃雷よりも、自宅周辺~数キロ離れた場所に落ちた誘導雷によるものが多いといいます。ですから、遠くでゴロゴロと鳴り始めた時点で、もう注意しなければいけません。
一番の回避策は、雷が来るとわかったら、機器につながっている外部ケーブルをすべて抜くこと。外部からの経路を完全に絶つことで、誘導雷の被害を確実に防ぐことができます。
雷が鳴るたびに、コンセントからいちいち抜くのは面倒かもしれませんが、大切なパソコンのデータや家電を守るために、ぜひとも実践を心がけたいものです。