例年より早く夏が来たような天候が続いていますね。湿度も上がってくる梅雨時に気にかけたいのは、食べ物が傷みやすくなる、ということ。
冷蔵庫に入れているから大丈夫? いいえ、とんでもありません!
実は、冷蔵庫の中はカビが発生しやすい場所。
たとえキンキンに冷やしていても、カビやO-157などの細菌はじっとしているだけで、死なないのです……。
今すぐ、食中毒の危険を回避すべく、冷蔵庫の中を総点検して、爽やかな気分で夏を迎えましょう!

何でも冷蔵庫に入れてしまえば、安心だと思っていませんか?
何でも冷蔵庫に入れてしまえば、安心だと思っていませんか?

冷蔵庫の中身をチェック!

厚生労働省に報告のあった食中毒事件のうち、家庭の食事が原因となるものは全体の20%近くを占めています。そのうち、O-157(オーイチゴウナナ)を代表とする細菌性の食中毒は9割に及びます。室温で食材を放置(15~20分)すると、なんとO-157は2倍に増殖!
そんな事態を防ぐために、まずは冷蔵庫の中身をチェックして不要な物を処分しましょう。
消費期限や賞味期限が切れていなくても、肉汁などで庫内が汚れていたり、冷却温度にムラがあると、細菌が繁殖する可能性が高くなります。
煮ものやカレーなどを入れる場合は、必ず室温まで冷ましてから。庫内の温度が急激に上がり、細菌の温床になるのを防ぎます。
もちろん、カビが生えていたり、腐っていた食材を発見したら即、廃棄です!

冷蔵庫に食材を詰め込むのはNG

食材の量を7割程度にすると、冷気が庫内に行きわたるので効率的ですし、取り出しやすく、節電にもなります。庫内は10度C以下が適温です。
10度Cで細菌の増殖が遅くなり、マイナス15度Cで細菌の増殖は停止しますが、死滅することはありません。
冷蔵庫を過信せず、賞味期限の近いもの、使いかけの食材などは手前に置き、早めに消費すると安心ですね。

お休みなしで働く冷蔵庫こそ清潔に

次はお掃除。ただキレイにするだけでなく、衛生的に清潔にすることが肝要です。
食材をクーラーボックスなどに避難させたら、パーツを外し台所用洗剤で洗って乾かします。仕上げはアルコールを使ったキッチン用の除菌スプレーなどを使います。
庫内の側面や上面、ドアの内側や取っ手も忘れずに掃除しましょう。特に、ドアのゴムパッキンはカビが生えやすいところなので、念入りに!

冷蔵と冷凍を上手に活用

冷蔵庫は詰め過ぎ厳禁ですが、冷凍庫は逆に詰め込んだ方が効率がよくなります。冷凍食品がお互いに保冷の役目を果たすからです。
冷凍庫にしまう時は、空気を抜いて冷凍用の袋に入れ、縦にした収納がオススメ。どこに何があるのかわかりやすく、取り出しやすくなりますよ。
きのこなど、食材によっては冷凍することでうま味を増すものもありますから、冷蔵と冷凍をうまく活用してください。

昼夜を問わず働き続け、私たちが口にする食材を保管してくれる冷蔵庫や冷凍庫。
家庭から食中毒を出さないためにも、日頃から清潔に保つ努力を心がけたいものですね。

参考URL/家庭でできる食中毒予防の6つのポイント、食育大辞典(ともにリンク先参照)